「会社の忘年会なんてなくなればいいのに」「会社の忘年会なんて時間の無駄でしょ」と疑問に思っていませんか?
NHK運営する「NHK NEWS WEB」に、次のような記事が掲載されていました。
“忘年会スルー”ってなに?
お互いのフロアの真ん中にバーカウンターを配置。仕事が終わった後で、酒を飲みながら交流できるようにし、月に1回、1人1400円まで会社が費用を負担
最近、注目を集めているのが「ランチ忘年会」です。(中略)注文は去年の2倍に増えていて、半数近くがお昼の注文だといいます。
結局はふだんのコミュニケーションをどうとっていくのか、みんなが楽しい雰囲気で働けるよう、アイデアを出し合うことが求められている
(引用:“忘年会スルー”ってなに? | NHK NEWS WEB (2019/12/22閲覧))
結論を言うと、従来の忘年会スタイルを変えることで、「忘年会スルー」問題を解消できます。そこで、このページでは、
- 元・人材コーディネーター
- 元・職業訓練校職員
- 人事労務&キャリアカウンセラー
- 人事&キャリアコンサルタント
といった職場の人間関係づくりに詳しい4名が、忘年会スルー問題について、次のような内容で見解を述べていきます。
この見解をすべて読めば、毎年年末に「忘年会行きたくない……」と不満を抱くことなく、円滑な飲みニケーションがとれるようになるはずです。
それでは、4名の見解をじっくりとお読みください。
見解1:一般社員ファーストの場にすると参加率が高まる
回答者:中川(人事労務&キャリアカウンセラー)
転職回数:1回
私も忘年会が面倒だと感じることは多いですが、「交流の場は必要」という意見には同意します。今後、忘年会を含めたお酒の交流の場は、若手社員や平社員に受け入れられるような場にすることが、参加率を高めるコツだと思っています。
以前、取引先や社内の人に「飲み会(忘年会)に参加したくない理由」を聞いてみたことがあるのですが、
- 上司の話を聞かなくてはいけないから
- 参加する意義がわからないから
- 参加メンバーが固定されているので同じような話になるから
- お金がもったいないから
- 子育てや家事などに追われて参加が難しいから
といった声が挙がりました。子育てや家事を除くと、忘年会の質が原因であることがわかります。
そこで、私が幹事をした時に、参加したくない人も参加してもらえるように、次のような対策をしました。
- 二次会は上席者と一般社員で別行動にする
- 上席者にアルハラ講習を受けてもらう
- 社員全員の意見を聞いたうえで参加率が高い日に開催する
- 途中退席、途中参加OK
- 席の配置はくじを使ってランダムにして、普段話さない人と交流できるようにする
- 飲み代は会社負担
私がこの対策を考えた時に念頭に置いていたのが、「一般社員ファースト」です。上司の話を聞く負担、若手が盛り上げなければいけない負担、金銭的な負担を軽くしようと考えました。
アルハラ講習では「してしまいがちなお酒での嫌われる交流の仕方」を事前に上司たちに学んでもらいました。
上司たちには苦い顔もされましたが、アルハラ講習をしたことを社内でアピールしたことで、一般社員も「これなら大丈夫だろう」と感じて忘年会に参加してくれました。対策前は6割ほどだった参加率が、8割を超えました。
というわけで、忘年会を含めた飲み会は、上席者ではなく一般社員が参加して気持ち良くなる場にすると、参加率も高くて意義のある交流の場になると思います。
見解2:忘年会に参加しないで、「新年会ランチ」でもOK
回答者:大山(人事&キャリアコンサルタント)
転職回数:4回
Chatworkの20代の女性社員の
飲み会が頻繁に開かれ、多くの人が参加することで、部署を越えた横のつながりができ、お互いに仕事の相談などもしやすくなった
との発言に共感しました。
やはり、忘年会のような職場の飲み会って、上司・同僚の新たな一面を見られたり、業務外の話をしてつながりを深めるなど、日頃の業務に生かすためにあるものだと思います。
でも、もし忘年会にそういった効果がなくて「苦痛でしかない」「時間・お金の無駄遣いだ」と思うなら、参加しないで良いと思います。
なぜなら、私も今の会社の忘年会には参加していないからです。12月は新卒採用担当として全国の学校訪問のため出張三昧で、オフィスにほとんど出社できません。スケジュールが合わなくて参加できないのです。
私の会社の場合、忘年会のように様々な部署と大勢で飲む機会は年に1回で、新年会はありません。
私は忘年会に参加できない分、年明けオフィスに出勤した際に上司・同僚・部下を長めのランチに誘います。新年会のランチバージョンで、いつもとは少し違ったコミュニケーションをとるようにしています。
この「新年会ランチ」では、年末年始の休み明けということもあって、比較的フランクなコミュニケーションをとることができます。忘年会に参加しない代わりにつながりを深くする取り組みをして、効果を実感しています。
以上のことから、「新年会ランチ」など忘年会に代わる自分なりの仕事が上手く進む手段を用意すれば、忘年会は不参加でまったく問題ないと思います。
見解3:時間の限られた「ランチ忘年会」なら抵抗なく参加できる
回答者:澤井(元・人材コーディネーター)
転職回数:4回
私も忘年会が苦手だったので「忘年会スルー」をしたくなる気持ちはよくわかります。ですが、今回のNHK NEWS WEBの記事にあったような「ランチ忘年会」だったら抵抗なく参加できると思いました。
なぜなら、ランチ忘年会だと、長くても1時間少しで終わるからです。私が忘年会に参加したくない一番の理由が、「いつ終わるのかわからない拘束時間の長さ」なので、その点がクリアになっていると気分的に参加しやすいと思いました。
会社員時代に忘年会に参加していたとき、なぜ参加するが億劫だったのかを考えてみました。
忘年会に参加したくない理由
- お金がかかる(1次会は会社負担でも、2次会、3次会は個人負担)
- 運悪く幹事になると、場所決めから連絡業務まで手間がかかる
- 「当然、2次会まで行くでしょう!」という周囲からの無言の圧力
- 仕事が終わらなくて集合時間を守らない人がたくさんいる
- 集合時間を守らない人が多いと、スタートが遅れて、終了時間も遅れる
- 飲み放題にしているのに、終了時間でお開きにならない
- 業務時間外なのに、仕事について延々と語る上司の話を聞かなければならない
これらの参加したくない理由は、ランチ忘年会だとすべて解消されます。
特に、参加者全員が1時間という限られた時間で忘年会をすることを知っているので、時間を浪費することがない点が最大のメリットだと思いました。
忘年会は、業務上では接点のない社員が交流できたり、あまり話すことのない上司とざっくばらんに話せる機会なので、交流の場としては有意義だと思います。
ですので、主催する側もこれまでの忘年会スタイルにとらわれずに、「ランチ忘年会」を取り入れることは、社員の忘年会への抵抗感もなくなってよいと思いました。
見解4:ランチ忘年会は既婚者でも参加しやすくて画期的!
回答者:小池(元・職業訓練校職員)
転職回数:2回
「ランチ忘年会なんて画期的!」と子育て中の私はとても魅力を感じました。というのも、ランチ忘年会なら同じような子育てママだけでなくて、子育てパパも参加しやすくなると思うからです。
今は飲みニケーションに批判的な人もたくさんいますが、私は飲み会に参加したおかげで苦手な人の良い面を見つけられたり、他の社員の人となりがよくわかったりしました。
仕事にプラス効果があったので、飲みの場には参加できるなら参加したほうが得策だと思っています。
私が勤めていたIT企業は会社がらみの飲み会が多くて、
- 新人歓迎会
- 花見
- 納涼会
- 忘年会
- 新年会
- 異動に伴う歓送迎会
- プロジェクトのキックオフ、打ち上げ
はもちろん、取引先企業の人と飲み会もあって、多いときは月に4回ほど飲み会に参加していました。当時は独身でしたし、20代で体力もあったので、忙しい中でも飲み会は「コミュニケーションツール」として参加していました。
そのときに、多くの先輩男性社員が口にしていたのが、「飲み会でお金を使ったり、帰宅が遅くなると奥さんに怒られるだよなぁ」ということでした。
現在、子育てママになってみて、夫が頻繁に飲み会参加でお金を使ったり、帰宅が遅くなったりしたら・・・「たまったもんじゃない!」と思います。(当時の先輩方の奥様、大変でしたね・・・)
でも、ランチ忘年会なら金額も帰宅時間も大きく気になりません。コミュニケーションも取れて仕事にプラス効果が得られるので、とても画期的だと思いました。
というわけで、ランチ忘年会は素敵な取り組みだと思います。夫の会社も夜の飲み会ばかりでなくて、ランチ忘年会を取り入れてほしいです!
以上「会社の忘年会をスルーする人が増加中。飲みニケーションは今後どうあるべきか?」の見解でした。
あなたは、これらの見解を読んでどう思いましたか?記事下にあるコメント欄やSNSにてご意見をお聞かせください。
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