「面接で”最後に質問はありますか?”」と聞かれたらどう答えるのがベストなんだろう……と疑問に思っていませんか?
株式会社フジテレビジョンが運営する「FNN.jpプライムオンライン」に、次のような記事が掲載されていました。
面接官の「最後に何か質問はありますか?」に対する“最強の質問”が話題…専門家にも聞いてみた
「今回の面接で、何か不足している経験やスキル等の、不安を感じた点があれば、教えてください」このように質問をした後、面接官から指摘されたことをフォロー
“最強の質問”は「相手の求める人材像」と「自分がプレゼンした人物像」のズレを確認する
状況によって異なるため一概には言えないが、“自分が活躍できるかどうかを確認できる質問”をすればよい
(引用:面接官の「最後に何か質問はありますか?」に対する“最強の質問”が話題…専門家にも聞いてみた – FNN.jpプライムオンライン (2019/12/23閲覧) )
結論を言うと、自分の不足や不安を尋ねるような質問が最強!……とは言えません。
そこで、このページでは、
- 元・人材コーディネーター
- 元・職業訓練校職員
- 人事労務&キャリアカウンセラー
- 人事&キャリアコンサルタント
といった転職面接のプロ4名が、面接の最後の逆質問の答え方について、次のような内容で見解を述べていきます。
この見解をすべて読めば、最後の質問に迷うことなく、転職の面接を好印象で終えることできるようになるはずです。
それでは、転職面接のプロ4名の見解をじっくりとお読みください。
見解1:「最強の質問」は、転職上級者向けなので注意が必要
回答者:澤井(元・人材コーディネーター)
転職回数:4回
今回のFNN.jpプライムオンラインに掲載されていた逆質問は、どれも「なるほど!」と思えるものでした。ですが、「最強の質問」は、転職上級者向けだなと感じました。
なぜなら、面接慣れしていないと、返答に戸惑って墓穴を掘る可能性が高いからです。逆に言うと、面接慣れしていてプレゼン力に自信がある人は、最強の質問をすることでさらに自己PRをすることもできると思います。
私は過去に4回転職をしていますが、あまり攻めの面接を経験していません。ですので、面接では、面接対策として一般的に言われている戦法で乗り越えました。
たとえば、職歴を説明する場面で転職先企業の業務とかぶりそうなところを重点的にアピールしたり、志望動機を聞かれる場面でなぜ御社で働きたいのか熱を込めて語る、といった具合です。
面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれても、「詳しく説明していただいたので質問はありません」と答えることが多かったです。
この返答のポイントは、「特にありません」だけだとクールな印象を与えてしまうかもしれないので、「詳しく説明していただいたので」と感謝の気持ちを付け加える点です。感謝の気持ちを答えることで、面接の最後に空気が和む感じがしました。
ということで、面接慣れしていない人は無理に攻めの質問をしなくてもよいと思います。攻めの質問をして返答に困るぐらいなら、職務経歴の説明や志望動機を一生懸命語ることをおすすめしたいです。
見解2:「してはいけない質問」を避けてベストな質問を導き出す
回答者:中川(人事労務&キャリアカウンセラー)
転職回数:1回
FNN.jpプライムオンラインの記事にあるように、経験やスキルの不安点について質問することは良いと思います。熱意が伝わますし、面接官の不安も解消するからです。
ただし、ベストな質問かどうかは、募集しているポジションや、その時の会話によって変わります。また、NG質問として「企業を批判するような質問はNG」とのことですが、他にも「しないほうがいい質問」はいくつかあります。
私は面接官として、「最後に何か質問はありますか?」と聞くこともありますが、次のような質問をした人は採用を見送ることが多いです。
- 「特にありません」と質問をしない
- 面接中にすでに話したことを質問する
- 売上高や経営理念など、ホームページを見ればわかることを質問する
採用を見送る理由は、やる気や情熱がない、人の話を聞かない人のように感じるからです。また、人事部門や幹部の募集ではないのに、社内規定の細かいことを聞いてくる人も見送るようにしています。「面倒なタイプ」と感じてしまうからです。
このように、「最強の質問」は状況によって変わりますが、「してはいけない質問」はハッキリしています。してはいけない質問を避けつつ、面接官とコミュニケーションをしっかりとれば、逆質問のベストアンサーは自然と出てくると思います。
見解3:「入社後に必要な情報」を揃えるために質問をする
回答者:大山(人事&キャリアコンサルタント)
転職回数:4回
質問を「最強」と断じること自体に疑問を感じます。
「自分が活躍できそうか」、「成長できそうか」、「そのための環境が整っているか」などが確認できる質問をすればよいと思います。
といった意見に共感しました。
自分の中に企業の事業内容・人・環境・労働条件・研修・キャリアパス……など、働くために情報が揃っているのであれば、「質問はありません」でいいと思います。逆に、情報が不足しているのであれば、それを素直に聞けばよいのです。
私は人事として面接も担当していますが、無理やり浅い質問をしても、面接官はすぐにわかります。
そもそも、面接における自分の評価を聞くのは、少しおかしいと思います。なぜなら、面接は企業とのお見合いの場だからです。お見合いの場で自分の評価は聞かないでしょう。
結婚(入社)にあたり、今後一緒に生活(仕事)するうえで、「自分の求めていることが叶いそうか」具体的にイメージして決断するために質問をするものだと思うのです。
つい最近、営業職の求職者Aさんの中途採用の最終面接を担当しました。最後に「何か質問はありますか?」と聞いたところ、Aさんは
「3年以内に営業でトップの実績を出したいので、今トップの実績を出している人はどのような人か知りたい」といった主旨の質問をしました。
営業部門の役員は、嬉しそうに熱心に質問に答えていました。入社後に活躍するために具体的な情報を尋ねたことで、成長意欲の高い人材という印象を受けたからです。役員は面接終了後、すぐに「ぜひ欲しい人材だ」との評価をしていました。
以上のことから、最後の質問は「入社後を具体的にイメージできる情報」を揃えるために使うべきだと思います。情報が揃っているなら、無理やり質問をする必要はありません。
見解4:奇をてらう質問よりも、ポジティブな質問がベター
回答者:小池(元・職業訓練校職員)
転職回数:2回
FNN.jpプライムオンラインで紹介されていた“最強の質問”は、「こんな質問よく考えたなぁ」と、目から鱗でした。でも、この人だからこそできる質問であって、逆に印象を悪くしてしまう可能性もあると思いました。
というのも、数年前、人事の知人が「『うちの会社を面接練習だと思ってるのか!』と言いたくなる人も結構いてイラっとするんだよね」と話していたことがあったからです。
明らかに面接練習のために面接をしている感じだったり、発言が挑戦的だったり、下手に面接の慣れをしている応募者は悪印象とのことでした。
今回の「最強の質問」も挑戦的、面接練習、面接慣れを感じるので、面接官の感情を逆なでしてしまう可能性が高いと思いました。
逆質問で自分のアピールをするなら、奇をてらうより好印象を狙うべきです。私が思うベターな逆質問は、
「私の○○のスキルを御社の○○という事業に活かしたいと思っていますが、さらに勉強や習得しておいたほうが良いことがあれば教えてください」
です。この質問は、
- やりたい仕事のアピール
- 活かせるスキルの念押し
- 自分に必要なことを知る
上記3点が1つの質問でできるので便利です。実際、私も転職の面接で役立ちました。
というわけで、「最強の質問」はよほど転職のスキルがない限りは、悪印象になる可能性が高いです。もっと応募先の会社にとってポジティブな質問をしたほうが、面接官の好印象が得られるはずです。
以上『転職の面接で「逆質問」をされたら、自分の不足点を聞くのが最強?』の見解でした。
あなたは、これらの見解を読んでどう思いましたか?記事下にあるコメント欄やSNSにてご意見をお聞かせください。
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