今回は「仕事を任せてもらえなくて、社内ニート状態。転職すべき?」という悩みにお答えします。
日本で一番有名なお笑い系の大手芸能事務所に事務職として入社しました。ですが、作業の要所要所をよく間違ってしまう私に、上司は配慮してか憤慨してかわかりませんが、仕事を任せてもらえなくなってしまいました。
私が毎日行なう業務と言えば、お茶くみだけで、あとは自分のデスクでボーっとしているだけです。私はまだ20代で、体力的にも余裕がある仕事盛りなのに、仕事をほとんどしていない社内ニート状態に悩んでいます。
社内ニートなのに、他の社員と同じくらいの給料をもらっているので、その罪悪感からか今の会社を辞めたほうがよいのかと思い始めています。ですが、仕事をミスしてばかりの私が、他の企業でやっていけるとも思えません。今のままの現状に甘え続けてもよいものでしょうか?
[相談者:26歳♂/芸能事務所/事務職/入社2年目/年収400万円~500万円未満/独身]
回答1:転職を考える前に、今の職場で仕事をもらえる努力をする
私は、「上司が仕事を振ってくれない」「仕事がなくて暇」という相談を、何度も受けたことがあります。いつも「自分から行動を起こさないと、状況は変わらないです」と伝えています。
なので、まずは今の会社で仕事がもらえるように、行動を起こしてみることをおすすめします。同じような相談を受けた際に、私がいつもお伝えしているのは、次の3つです。
1.業務内容はすべてメモに残すこと
社内ニート状態の原因が、「ミスしてばかりの私」にあるのでしたら、「ミスをしない私」へと成長しないと、転職しても状況は変わりません。
仕事のミスを繰り返す人に多いのは、メモを取らないことです。上司に言われたことや、やるべき仕事を必ずメモに書き留めて、作業はメモを確認しながら行なってください。
また、作業内容だけでなくて、ミスをしたことや、褒められたことなどもメモして、常に読み返しをしましょう。メモを習慣づけることで、仕事のミスをする回数が減るはずです。
2.自分の気持ちを上司にハッキリと伝えること
上司に「仕事が欲しいです」と、言葉にして伝えるべきです。仕事がなくて悩んでいることを上司が気づいていないかもしれないからです。直接相談されると、上司としては、なんらかの対応せざるを得なくなります。上司に伝える際には、仕事のミスをしないように、メモを取るようにしていることも話しましょう。
3.先輩や同僚と積極的にコミュニケーションを取ること
仕事がなくてぼーっとしているのではなくて、職場の先輩や同僚とも積極的にコミュニケーションを取ってください。仕事がなくて悩んでいる状況をわかってもらえれば、同僚や先輩が抱えている仕事を手伝わせてもらえる可能性があります。
以上のように、転職を考える前に、まずは今の職場で仕事をもらえるように自ら動いてみてください。仕事をミスしないようにメモに残したり、自分の気持ちを職場で共有することで、社内ニート状態は打破できるはずですよ。
回答2:上司があなたに仕事を回してくれない理由
仕事をほとんどしていない状態に悩んでいるのですね。原因が自分のミスの可能性が高いと思っているのでしたら、まずはミスと向き合って、改善方法をきちんと上司に伝えましょう。そして、それでも仕事が回ってこない場合は、転職を検討することをおすすめします。
私は社内人事として、同様の相談を受けてきましたが、仕事を任せる側が仕事を任せなくなる経緯は、「本人が仕事に積極的に取り組んだり、態度やミスを改善する様子が見えないから、指示をするのが面倒になって諦めてしまう」場合がほとんどでした。
仕事を任せる側は、基本的に時間がないため、なるべく短い時間で仕事を頼みたいと思っています。そんな中、「同じミスを繰り返す」「指示するまで何もしようとしない」という態度だと、ミスの指導やカバーをして、指示内容を考えるほうが手間だと感じてしまうのです。
ですから、今回の場合は、ミスしてしまう原因を自分で考えて、「このような方法でミスが起きないようにするので、もう一度仕事を任せてほしい」と具体的な改善策を提示をして訴える必要があります。
何もしなければ、今のままの状況が続く可能性が高いです。さらには、今のまま自分がなぜミスをするのかわからないで、指示を待ち続ける姿勢でしたら、転職先でも同じ状況になってしまうかもしれません。
というわけで、まずは自分のミスの原因と改善策を考えて、仕事が欲しい気持ちと一緒に上司に伝えましょう。それでも仕事がもらえないなら、転職を考えてもよいです。
回答3:得意分野を磨いて仕事に還元するチャンスに変える
元・職業訓練校職員の小池です。
他の社員がバリバリと働いているのを横目に、デスクでやることもなく座っているだけだと焦りと不安が積もりますよね。
でも、そんなときは「自分の得意分野を磨いて仕事に活かすチャンス」だと前向きに考えてみてください。
せっかく大手企業に就職できたのに、そのまま何もせず転職するのはもったいないです。まずは自分の得意なことが何か、そして得意をどのように仕事に活かせるか、整理してみてください。その中で、できそうなことからコツコツと実践していけば、仕事にも自分の自信にもつながります。
というのも、私も、展示会受付のアルバイトをしていたときに、座っているだけで時間が過ぎてしまって、「このままでいいのかな・・・」と不安になったことがあります。
来場者が来たときしか仕事がなかったので、来場者がなければ何もすることが無い状態で何時間も過ごすのは苦痛でした。
そんなときに、他のスタッフが忙しそうにしているのを見て、自分にもできることはないかと思って、来場者のグッズの好みの傾向や天気と来場者数の関係などの統計を取ってみたところ、終礼で褒められたのです。
その後は毎日統計を取る仕事を任せてもらって、最終日には社員から「もっと続けてほしかった」とまで言ってもらえました。
私はもともとパソコン作業が得意だったので統計を取りましたが、自分の得意なことなら工夫や継続も苦にならないはずです。今得意なことをもっと磨けば、より仕事に活かせます。
というわけで、自分の得意分野を磨いて仕事に活かしてみてください。新しい仕事を自分で作り出すこともできますし、得意分野の仕事を依頼される機会も増えて「脱・社内ニート」が実現できます。
回答4:お茶くみでも極めれば、上司の評価を得られると思う理由
会社に行って大した仕事もせずに毎日ボーっとして、よいわけがありません。社内ニート状態から抜け出すには、上司の信頼を得られるように仕事で結果を出すことです。
私が上司であっても、ミスの多い部下には難易度の低い仕事を振り分けます。部下のミスも上司の責任ですし、なによりお客さんへの迷惑を避けなければなりません。事務職であれば、それこそお茶出し、コピー、集荷・配達、書類整理といった仕事を回すでしょう。
ですが、そのような仕事を回しているからといって、部下を見捨てているわけではありません。難易度の低い仕事が確実にできるようになったら、次にレベルを少し上げた仕事を任せて、部下の成長を期待します。
それが今、お茶くみしか任されていないのであれば、上司の目から見て「まだまだだな」と判断されているということです。
お茶くみにも、「おいしくお茶を淹れる」「笑顔で対応する」「声の掛け方や身のこなし」などビジネスマナーの要素が盛り込まれています。どのように対応しているか、上司はあなたのことを見ているはずです。
ですから、「お茶くみが上手だね」とか「〇〇さんにお茶を出してもらうと気持ちいいよ」と言われるまで真剣に取り組みます。
上司も「最近、変わってきた」と感じたら、「新しい仕事を任せてみよう」と思うはずです。新しい仕事は時間がかかってもいいので、ミスなく完成させます。これを繰り返すことで、上司の信頼を得ることができて、社内ニートも解消するでしょう。
今のままボーっとして1日を過ごしている状況で仮に転職しても、デスクとそこから見る景色が変わるだけです。今の職場で、真剣に仕事に取り組んで、実績を積むしかありません。上司は常にあなたを見ています。
回答5:私が社内ニートだったときに取った効果的な行動
私も昔、異動直後の3ヶ月間同じような状態が続いたことがあるので、焦りや不安はよくわかります。「何もしなくても給料がもらえるなら楽で良い」と思う人もいる中、相談者さまが今の状況をつらく感じているのは、向上心があって、キャリアアップを望んでいるからこそだと思います。
状況を打開するためには、直属の上司だけでなくて周囲へも目を向けて、何か自分にできる仕事を探してみることを提案します。
私の場合は、人手不足解消の増員のために異動したにも関わらず、上司や先輩が仕事を教える時間がなくて、自分でやるほうが早いと考えていて、さらに悪循環に陥っていました。
そこで、「受け身のままでは時間が過ぎるばかり」と思って、チーム内に限定しないで、隣のチームや同期など様々な人へ、何か手伝えることがないか聞いて取り組むようにしました。その取り組みで周囲の信頼を得て、次の仕事につながることはもちろん、周囲に私の置かれている状況が伝わるという効果がありました。
社内ニートに陥っている状況は、本人が思っているよりも周囲から気付きにくい場合があります。上司も忙しくて、余裕がない場合もありますので、周囲からの指摘や仕事ぶりの評価を聞けば、仕事を任せてくれる機会が出てくるかもしれません。
不安を感じているミスは、最初は誰もが同じです。同じミスを繰り返さないように改善すればよいので、注意されても決してめげずに取り組んでみてください。
ということで、社内で視野を広げて仕事を探して、誠実に取り組んでみましょう。周囲に仕事への積極性や誠実さが伝われば、社内での立場も改善して、キャリアアップにもつながるはずです。
回答6:「働く目的」と「上司の意図」で身の振り方を判断
転職すべきかどうかは、「現職で働く目的がはっきりしているか」「上司はあなたを育成するつもりがあるか」の2軸で判断してください。それぞれ、解説します。
1.現職で働く目的がはっきりしているか
仕事をもらえない状況は一旦無視して、あなた自身が現職で働く目的がはっきりしているかどうかを考えてみてください。理由は、仕事のミスで罪悪感を感じて悩んだときに、「自分はこのために今の職場を選んだ」という目的があれば、立ち返って頑張ることができるからです。
働く目的があいまいなままだと、たとえ転職しても、同じような悩みで堂々巡りになってしまう可能性があります。
2.上司はあなたを育成するつもりがあるか
私は上司の本音が気になります。育成の一環として、あえて仕事を回さない状況を作っていて、成長に応じて徐々に難易度の高い仕事を任せるつもりなのか。それとも、退職を促すために社内ニート環境を作っているのか、ハッキリさせる必要があると思いました。
もし、上司が育成のためにあえて今の仕事量にしている場合、私なら現職に残って努力を続けます。一方で、上司に育成意志がなければ、転職します。会社は組織で働くのに、まだ実力がない状況で上司の指導を受けられないのは、合理的ではないからです。
なお、上司の本音を探る方法は、社内ニート状態に悩んでいることを相談したときの上司の反応で判断します。あいまいな返事しか返ってこない場合は、退職を促しているも同然なので、転職したほうがいいでしょう。
というわけで、現職で働く目的の有無と、仕事を回してくれない上司の意図を知ることで、身の振り方を判断してください。
回答7:原因は受け身な姿勢。自分で仕事を見つけて脱・社内ニート
仕事を任せてもらえない状況で、自信が持てなくなってしまっているようですね。体力的にも余裕があって働き盛りの自覚があるのでしたら、自分にできることはないか積極的に探す努力をしてみてください。
なぜなら、このまま働き続けるにしても転職をするにしても、仕事への意欲がこの程度では必要とされる人材になれないからです。
私が派遣スタッフとして働いていたときのことですが、繁忙期以外はものすごく暇な職場で、閑散期は相談者さまのようにパソコンの前にボーっと座っているだけでした。その前の職場では常に仕事に追われていたので、パソコンの前に座っているだけの状況が退屈でたまりませんでした。
そこで、少し仕事に慣れてきた頃、忙しそうな先輩社員に「この業務でしたら私にもできるんじゃないかと思うのですが、お手伝いさせてもらえませんか?」と言ったり、何となくみんなが手をつけずに放置している書類を整理したりと、社歴の浅い私でもできる仕事がないか探す努力をしました。
その結果、マニュアルの見直し業務に参加させてもらったり、書類保管ルールの作成を任されたりと、新しい仕事に関わることができました。
慣れないうちは仕事を間違えてしまうことは誰にでもあります。社内ニート状態になってしまっている原因は、仕事を間違えてしまったことではなくて「受け身な姿勢」だと思います。
ということで、転職を考える前に、まずは今の職場で自分にできることはないか、よく周りを観察してみてください。
回答7:転職はとどまって、現職で小さな信頼を積み重ねる
仕事をしたくても、周りの評価を得ることができていないために、精一杯働けないのは悩ましいですね。ですが、転職はおすすめしません。転職をすると、新しい環境に慣れるだけでも大変で、今よりもミスが多くなるからです。
社内ニート状態から抜け出すのには、小さくても自分にできる仕事を主体的に取り組んで、周りからの信頼を得ていくことがおすすめです。
なぜなら、相談者さんが社内ニートになっているのは、仕事に対して「受け身」であることが問題だからです。社内ニートになったきっかけは、作業でのミスだったかもしれません。ですが、そのあとにミスをなくす努力をしないで、仕事がない状態を受け入れてしまっていることが、社内ニートの原因です。
つまり、「仕事を任せてもらえない」のではなくて、周囲から「仕事をしたくないと思われている」ということです。
罪悪感を感じるのであれば、小さな仕事でもできることを1つずつしっかりとやっていきましょう。その積み重ねで作業ミスを減らすことができて、周囲からの信頼も得ることができます。
これは、私が人事マネージャーのときに、研修で新入社員に伝えていたことでもあります。「小さな仕事を確実にコツコツ」を意識して仕事に取り組んだ新入社員は、周囲からの信頼を得ることができて、大きな仕事も任せてもらえるようになったという実績があります。
ということで、転職はしないで、現在の職場でできる仕事を主体的に取り組んで、周囲からの信頼を得ることに努めてください。
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