「好きなことで生きているYouTuberがうらやましい」「好きなことを仕事にできたら最高なんだけど・・・」と夢見ていませんか?
株式会社小学館が運営する「マネーポストWEB」に、次のような記事が掲載されていました。
「好きを仕事に」という言葉に違和感を覚えるワケ
「好き」なんてものは仕事になり得ないことがほとんどなので、「『好き』を仕事に」なんて煽るんじゃないよ!
「好き」を仕事にしているわけではなく、ある程度「向いている」「苦痛ではない」仕事をしているだけです。
それなりに待遇が良い職種に就き、余裕のある人生を送りつつ、趣味の登山や本当にやりたかった子育てを頑張りたい、と彼らは考えている
(引用:「好きを仕事に」という言葉に違和感を覚えるワケ | マネーポストWEB (2019/11/12閲覧))
実は、最初から「好きな仕事」は無理でも、徐々に「好きな仕事」にできたり、「好き」の考え方を少し変えてみることで、「好きな仕事」と変わらない仕事に就けます。
そこで、このページでは、
- 元・人材コーディネーター
- 元・職業訓練校職員
- 人事労務&キャリアカウンセラー
- 人事&キャリアコンサルタント
といった働き方のコツを知る名が、「好きを仕事にできるのか」について、次のような内容で見解を述べていきます。
この見解をすべて読めば、好きな仕事をしている感覚を体験できるようになるはずです。それでは、4名の「好きを仕事にする」論の見解をじっくりとお読みください。
見解1:「向いている・苦痛ではない仕事」を「好きな仕事」に変えるのがベスト
回答者:澤井(元・人材コーディネーター)
転職回数:4回
マネーポストWEBの記事を読んで、
「好き」を仕事にしているわけではなく、ある程度「向いている」「苦痛ではない」仕事をしているだけです。
という部分に共感しました。
なぜなら、適職を見つけるには、好きなことを仕事にするよりも、ある程度「向いている」「苦痛ではない」仕事をしながら、その仕事を好きな仕事に変えていく方法がベストだと思うからです。
私は、大学在学中にFP(ファイナンシャルプランナー)の勉強をして生命保険に興味を持ったので、新卒で生命保険営業の仕事に就きました。
ですが、小さいころから人見知りなところがあって、入社した当時は面識のない人に生命保険を勧めることがプレッシャーでした。
営業活動中は「わからないことを聞かれたらどうしよう」と変な汗をかいてばかりだったように思います。それでも頑張れたのは、保険の勉強をすることが楽しかったからです。
その後、人材コーディネーターへ転職したのですが、人材コーディネーターも毎日初対面の人に会って派遣登録面談をしなくてはなりません。
職歴は人によってさまざまなので、「職務経歴書を見てもわからない職種ばかり・・・」なんてこともよくありました。
ですが、「私は○○さんが経験してきたこの仕事をあまり知らないので、詳しく教えていただけますか?」と聞いてもよかった点に救われました。
「わからない職歴があれば派遣登録に来た人に聞いたっていい!」と思えるようになってから、初対面の派遣登録面談も苦痛ではなくなりました。むしろ、やりがいを感じて好きになりました。
ということで、「向いている・苦痛ではない仕事」を一生懸命にこなせば、「好きな仕事」に変わっていきます。苦手なことを避けるのではなくて、どうやって乗り越えるか考えることが好きな仕事に変えるコツです。
見解2:「好き」を広く捉えると、好きなことを仕事にできる
回答者:中川(人事労務&キャリアカウンセラー)
転職回数:1回
今回のマネーポストWEBの記事は、「好きなことだけを仕事にできている人はごくわずか」という主旨ですが、私はその「好き」を広げて仕事を選べば、好きなことも仕事にできると思っています。
なぜなら、好きなことを仕事にできないのは、ライバルが強すぎてお金になるほど活躍できないケースが多いからです。もっと成功しやすい市場にずらして好きなことをすれば、好きを仕事にできます。
以前、学生の就職カウンセリングをしている時に「好きな音楽を仕事にしたい」と考えている人から相談を受けました。彼は音楽の学校に通っていましたが、家族を含めた周囲から「音楽では食べていけない」と言われていました。
私は、この学生に「なぜ、音楽が好きなのか」を聞いてみました。すると、演奏することが好きなのはもちろんですが、「音楽で人が笑顔になること」も好きだとわかりました。
そこで、この「音楽で人が笑顔になる」という考え方を広げて、「楽器の演奏方法を人に教えて、その人を笑顔にさせても同じ」という考え方を伝えました。
楽器演奏は小さい子どもからお年寄りまで習い事や趣味でやる人も多いので、過酷な競争を勝ち取らなくても、音楽を通じて人を笑顔にすることができます。
その結果、新たな選択肢に気づいてもらえて、家族も「それなら音楽でも食べていけそう」と納得してくれました。今では音楽教室で好きな音楽の仕事をしています。
ということで、好きを仕事にできる人は確かにほとんどいません。ですが、今回の事例のように好きの範囲を広げることで、好きなことを仕事にすることはできます。
見解3:最初から「好き」はハードル高い。やっていくうちに「好き」に近づける
回答者:大山(人事&キャリアコンサルタント)
転職回数:4回
「好き」なんてものは仕事になり得ないことがほとんどなので、「『好き』を仕事に」なんて煽るんじゃないよ!
とのことですが、100%好きなことを仕事にできている人がごく一握りなんてことはみんな薄々気づいているのではないでしょうか。
私は、最初から「好き」を仕事にするのはハードルが高くても、仕事をするうちにどこかにやりがいを感じて、「好き」に近づけることは可能だと思います。
というのも、私は就活の時、就職氷河期世代なうえに自分に何が向いているのか、よくわかっていなかったので、たくさんの会社にエントリーして、何となく医療機器の商社に営業職として就職しました。それでも、仕事の「好き」な点を見出せたからです。
入社後、病院に飛び込みで、数百万円から高いものになると数千万円の商品を営業していました。
当然、すぐに買ってくれるはずもなく、来る日も来る日も断られる状況が続いていました。当時は「何のためにこんな仕事をしているのだろう……?」とモヤモヤする日々。
ですが、営業していくうちにお客さんから「ご苦労様。ちょっと、この機械の調子が悪くなってきたので見てもらえる?」など、顔見知りになるとちょっとした仕事を頼まれることが増えていきました。
目の前のムダだと思っていた行動から、仕事の機会が生まれていったのです。仕事を頼まれる機会が増えていくと、営業先との関係づくりが面白くなって、日頃の取り組みも意欲的に変わって、商品が売れることも増えていきました。
このお客さんとのやり取りを通して、私は「人とコミュニケーションを取る・顧客の問題を解決することが好きなんだ。そこにやりがいを感じるんだ」と認識しました。この姿勢は20年近く経った今でも変わりません。
ということで、最初から「好き」を仕事にしようと思わないことです。まずは目の前の仕事を一生懸命やっていくことで、徐々に「好き」な仕事に近づけられると思っています。
見解5:「好き」よりも「おもしろそう」な仕事を選ぶのが吉
回答者:小池(元・職業訓練校職員)
転職回数:2回
確かに、「好き」を仕事にできたらいいなぁと思いますが、そんな好都合の仕事を実現している人は本当に一握りですよね。
なので、マネーポストWEBの記事の
元々「好き」だったことが実は仕事になり、カネを稼ぐ人というのはごく一部
は的を射ていると思いました。
でも、「好き」にこだわるからネガティブに捉えてしまうだけで、「好き」を「おもしろそう」に変えるだけで、仕事への思いはポジティブにできます!
私が現在ライターをしているのも、理由は「おもしろそう」だったからですし、実際に「おもしろい」仕事です。
「転職して職種を変えたい!満足度が高い「内装設計・インテリア」を目指すべき?」でもお伝えしましたが、私はこれまで「おもしろそう」と思った下記の4種類の異なる仕事をしてきています。
- プログラマ
- 営業事務
- 職業訓練校職員
- 現在のライター
どの職種も、「好き」ではないものの、私にとって「おもしろい」と思える仕事です。
仕事内容に興味関心があることで、「こうしてみよう」「ああしてみよう」と仕事に熱意を持って試行錯誤できたり、仕事のための勉強が辛いと感じても「頑張ろう!」と思うことができたりしました。
一方で、学生時代に経験したアルバイトでは、時給につられて「向いている」「苦痛ではない」仕事もしましたが、おもしろくなくてすぐに辞めてしまった仕事もいくつかありました。
仕事がおもしろくないと、「苦痛ではない」はずなのに、ネガティブな面に目がいってしまいがちで、仕事が嫌になってしまったのです。
でも、興味関心がある仕事だとやる気も沸いて、仕事に対しての感情もポジティブになるので、仕事中に「おもしろい!」と思える瞬間が増えて、満足度に変わっている気がします。
というわけで、仕事への満足度がアップしてポジティブに働けるという意味では、「好き」な仕事よりも「おもしろそう」な仕事に重点を置くのがよいと思います。
以上『「好きを仕事にする」は本当に可能なのか?』の見解でした。
あなたは、これらの見解を読んでどう思いましたか?記事下にあるコメント欄やSNSにてご意見をお聞かせください。
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