定時退社をしようとしたら、連帯責任で残業させられた。おかしくない?

今回は「自分の仕事が終わったのに残業させられる」という悩みにお答えします。

私の職種は生産技術職です。担当は主に工程改善や書類作成です。高卒の私は要領が悪くて、いつも帰宅するのは深夜です。でも、忙しい仕事でも納期が過ぎれば定時退社できるくらいに仕事が終わります。

そんなある日、書類作成も営業時間内に終わって、上司に帰宅を申し出たのですが、「みんなまだ仕事しているだろ。会社はチームで動いているんだ。自分だけ帰らないで手伝え」と言われました。

周囲を見ると、確かに自分以外の人はまだ仕事が終わっていない様子。仕方なく、いつもどおり残業して手伝ってから帰ることになりました。

でも、自分の仕事が終わったのに帰れないのはおかしいと思いました。なぜ、終わっていない人の仕事に付き合わないといけないのでしょうか?これが社会人の常識なのか、うちの会社がおかしいのか、私の考えがおかしいのか、教えてほしいです。

[相談者:20歳男性/半導体製造/生産技術職/入社2年目]

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回答1:情けは人の為ならず。自分がピンチのときに助けてもらえる

「自分に振られた仕事だけがやるべき仕事」という考えを持っていて、理不尽を感じているようですね。たしかに、毎日深夜まで残業して、やっと待望の定時退社の日に突然残業を命じられると、誰だって不満を感じます。

でも、「会社で仕事をする」ということは、「助け合って仕事をする」ということです。たとえば、誰かが突然体調不良で長期間休んでも、他の社員がカバーをして納期までに仕上げるのが鉄則です。

なので、他の社員全員が残業しているのであれば、手伝っておいたほうが、あとあと自分のためになります。これまで無かったのかもしれませんが、ご自分の仕事を他の社員に手伝ってもらうことも、いずれ出てくるはずです。

突然の残業がときどきなら、上司の言い分が会社としてベストな選択です。でも、定時退社を申し出ると毎回残業を命じられたり、自分の仕事を手伝ってもらえるよう申し出ても毎回対応してもらえなかったりしたら、パワハラの可能性があります。

状況をよく確認して、パワハラだと感じるようなら人事や社内の窓口に相談してみてください。

まとめると、今回は「連帯責任」というより「助け合い」のための残業です。会社として仕事を受けているからには、納期の厳守が第一なのです。もし理不尽だと感じたら、「情けは人の為ならず」という言葉を思い出してください。できるときに協力しておくことで、自分のピンチのときに助けてもらいやすくなります。

回答2:残業の同調圧力が「会社の価値観」か「上司の価値観」か見極める

自分の仕事を時間内に終えて、定時で帰る。本来、仕事とはそうあるべきです。ですが、社員全員がきっちりと仕事を終えて、常に定時に業務を終わらせることは難しいのが現実です。

例えば、自分以外のミスや設備のトラブルによって仕事が増えて、予定通りに進まないこともあるでしょう。また、お客様からの急な要望で納期が早まったり、営業部で要求レベルの高い案件を受注してしまって対応に追われるケースなどもあると思います。

会社としての約束や期待に応えるために、個人の責任を超えて残業しなくてはならない場面もあるのです。よって、上司の主張も正しいです。

ただし、今回のケースは、「みんなが残業しているんだから、あなたも残業しなさい」という同調圧力に見受けられます。同調圧力が会社の社風・文化によるものなのか、上司個人の価値観によるものなのかを見極める必要があります。

会社の価値観の場合

他の部署の上司も「みんなで残業すべき」という価値観だったら、自分だけ仕事を早く終わらせて早く帰ることを良しとしない環境にいることになります。この場合、今後も働きづらさを感じることになるので、転職を考えたほうが良いでしょう。

常識や価値観の良し悪しは、属する組織によって変わるものです。自分の価値観に合う環境で働くことが最も大切ですので、今の職場が自分の価値観に合うかどうか、考えてみてください。

上司個人の価値観の場合

労務管理を担当している人に相談してみるのも一案です。上司が労基法や就業規則に沿わない指導を行なっていれば、労務管理担当者は是正を促す立場にありますので、自分だけではなくて周囲の力を借りて環境を変えていくのも方法です。

まとめると、残業の同調圧力が会社全体の価値観なのか、上司個人の価値観なのかを見極めて、環境を変えるための対応をおすすめします。

回答3:上司が間違っている。でも、手伝えば「お客様のためになる」

チームとして仕事をするプロジェクトならわかりますが、案件ごと担当者に配分された業務において、しかも、帰る間際に「連帯責任を持ち出して残業させる」この上司のやり方は間違っていると考えます。

本来であれば、上司は仕事が偏らないよう気を配らなければなりませんし、担当者全員のスキルを上げて、誰がやっても同じクオリティになるように業務の標準化に努めるべきです。

ところが、連帯責任の名のもとに、常に誰かが誰かをフォローをしている職場は、その場をやり過ごしているだけに過ぎません。業務能力や業務量に応じて仕事を配分しているのは上司なのですから、「采配ミス」と言ってもいいでしょう。

ですから、自分の業務を終えたのであれば、他の社員が残業していたとしても定時で帰ることに問題はありません。

ただし、連帯責任で残業させるような上司に、このような正論は通じません。さらに、ここで帰ると、あなたの評価はガタ落ちです。連帯責任が当たり前になっている職場であれば、他の社員から厳しい目を向けられることにもなるでしょう。同じ職場のメンバーからの信頼を失うことは、得策とは言えません。

それだけではありません。私たちは働くことで給与をもらっていますが、その源泉は、会社からではなくて、商品やサービスを購入しているお客様からです。どのような状況であっても、「働くことはお客様のためである」ことを忘れてはいけません

今回、残業したことは、直接的には社員をフォローしたわけですが、実際は、納期に余裕ができたかもしれないですし、より精密な報告書を作成することに役立ったかもしれません。そして、間接的にお客様のためになっているのです。

もちろん、自分を犠牲にしてまで残業をする必要はありませんので、「どうしても外せない用事がある」などの理由で、「すいません。今日は予定があるのでお先に失礼させていただきます」とあらかじめ伝えておけば予防線になります。

まとめると、「連帯責任だから」ではなくて、「仕事はお客様のためにするもの」という意識を持って、スケジュールや体調に余裕があるなら他の社員の仕事も手伝うような社員になってほしいです。

回答4:なぜ「会社」という形があるのか?自分にとって得な行動とは

基本的に、仕事というのは自分に課された任務をきちんと遂行できれば、終わりにして良いものです。

ですが、会社は一人だけではなくて、みんなで協力して成り立っているのも事実です。もし、一人だけで仕事をしていればいいのなら、みんな個人事業主として契約を結べばいいはずです。

それを、わざわざ「会社」という形にするのは、「それぞれ足りない部分を補い合うことで、業務を途切れなく遂行する」という目的があるためです。

例えば、風邪で誰かが休んだからといって、その分の仕事を放っておくことはできません。事業を継続するためには、誰かがカバーをします。つまり、ご自身が今後何らかの事情で仕事に穴を空けざるを得なくなったときに、カバーするのは周りの人たちなのです。

そう考えると、「余裕のあるときに多少は手伝って恩を売っておく」というのも悪くないはずです。

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普段、要領が悪くて仕事に時間がかかっているようなので、できるときに周りを助けておくことで、自分が困ったときも助けてもらえるかもしれませんよ。

ただし、連帯責任の残業が恒常的な状態でしたら話は別です。毎日、自分の仕事が終わっているのに帰れないのはストレスも溜まりますし、正常な状態とは言えません。その場合は、職場全体でもっと計画的に仕事を進められないかや、人手不足の可能性などを上長と相談してみてください。

というわけで、この状況が恒常的ならば問題ですが、たまになら手伝ったほうが自分の得になります。

回答5:上司の管理能力に問題があるから、残業命令に従う必要なし

仲間の残業を手伝うべきかどうか、悩みますよね。私は、突然の残業命令に従わなくても良いと考えます。残業をすると疲れるし、プライベートの時間も削られてしまします。睡眠時間も短くなって健康にも影響が出るかもしれません。それに、上司といえども、部下に帰宅直前に残業を強制する権利はないはずです。

そもそも、今回のケースは、「残業する、しない」の問題の前に、上司の管理能力に問題があります。

確かに、会社はチームで仕事をします。自分の仕事だけではなくて、他の人の仕事を助ける協調性も必要です。ですが、チーム内での仕事をうまく調整するのは上司の仕事です。帰宅直前に「みんなを手伝え」と威圧的に命令する上司は間違っています

私の会社では、「人が残業をしていても、自分の仕事が終わったら速やかに帰る」というルールがあります。帰宅前になって「何か手伝うことはありますか?」と聞くことは基本的にありません。

なぜなら、チーム一人ひとりのやるべき仕事を上司が把握していて、ヘルプが必要な場合は、早めに申し出をするように指示しているからです。

このように、業務が円滑に回るように上司が早めに対策を打っておくべきなのです。管理不足である上司の突然の残業命令は従う必要はありません。

とはいえ、職場の人間関係を悪くしてしまうのも得策ではありません。なので、少しだけでも手伝える場合は、「1時間であれば大丈夫です」と時間を区切って引き受けるのがおすすめです。

早く帰宅したい場合や残業を断りたい場合は、「今日は通院がある」「今日は用事がある」などと上司が残業を強制できないような理由を伝えて、断りましょう。

回答6:就業規則や36協定を確認して、「おかしい」かどうか調べてみて

会社を「おかしい!」と言えるかどうかは、就業規則や労使協定によるところがあります。

就業規則は、「会社と労働者は、こういう条件で労働力を提供してもらえば、これだけのお金を支払いますよ」という約束です。その中に、「必要があるときには所定の労働時間を超えた勤務を命じる場合がある」などの文言があれば、その約束で契約しているわけですから、遂行しなければいけません。

ただし、就業規則がきちんと法律に基づいていることが前提になります。労働基準法では「労働時間は1日8時間、週40時間」と定められています。「え!じゃあ、残業は法律違反なの!?」と思うかもしれませんが、企業と労働組合が36(サブロク)協定を締結している場合は、時間外労働や休日出勤をさせることが可能になります。

また、36協定を締結している場合は、それが「特別条項付き36協定」ではないかどうかを確認しましょう。ただの36協定であれば、1ヶ月45時間、年間360時間までの時間外労働の上限があります。ですが、「特別条項付き36協定」の場合は、その上限をも上回っての時間外労働が可能になってしまうのです。

なので、会社が法律に対して「おかしい」ことをしていないか調べましょう。もし、会社が法律に違反しているのであれば、堂々と「会社がおかしい!」と言うことができます。その場合は、労働基準監督署に相談すると良いです。

「一応、法律は守っている」ということであれば、今の日本では働いている会社が「おかしい」と言うことは難しいです。

というわけで、会社がおかしいかどうかを知るためには、会社の就業規則や36協定について確認して、問題があれば労働基準監督署に相談してみてください。「今のところ法律では問題ないけれど、不満がある」という場合は、転職するなど働き方を変えることも視野に入れてみてください。

回答7:「個人プレー」と「チームプレー」の仕事、どちらが向いている?

「会社はチームで動いている」という上司の発言は、生産技術職ゆえの発言ですね。

「自分の仕事が早く終わったときも、ほかの人の仕事を手伝わなければいけないのか」と理不尽に思う気持ちも、とてもよくわかります。ですが、「生産技術職」という職種がチームで働くことを重要視している仕事なので、毎回とまではいかなくても、ある程度は仕方のないことなのかなと思いました。

今の働き方が合わないと感じているようでしたら、どういった働き方が合っているのか、一度、自己分析をしてみることをおすすめします。業種や職種によって仕事のやり方や性質は大きく変わってくるので、今よりも自分に合った働き方に気づくかもしれません。

仕事のタイプは、大きく分けて2つあります。ひとつは、営業職や販売職など「個人プレー」の仕事です。個人に対して目標が与えられて、それを個人単位でクリアしていくスタイルです。評価は個人の成果に対してされます。

もうひとつは、生産技術職のような「チームプレー」の仕事です。官公庁や飲食店なども同じですね。チームとしての目標をメンバー全員で達成していくスタイルです。評価はチームとして達成した業務に対してされます。

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そして、個人プレーとチームプレーの仕事には、それぞれ次のようなメリットがあります。

個人プレーの仕事のメリット

  • 自分のペースで仕事ができる
  • 良くも悪くも仕事の成果がシビアに評価されるので、次にクリアすべき課題が明確になってスキルアップしていける
  • 自分の得意分野で思いきり力を発揮することができる

チームプレーの仕事のメリット

  • 個人で成果を出すには重圧が大きい仕事も、チームで協力してできる
  • 協働するなかで自分の知らないことを学べて、スキルアップにもつながる
  • 個人の得手不得手をカバーしあいながら、一緒にゴールを目指せる

どちらが自分に合っていると感じたでしょうか?もしかすると、今の「チームプレーの仕事」よりも、「個人プレーの仕事」のほうがタイプ的には合っているのかもしれません。ですので、まずは自己分析をして、より自分に合ったワークスタイルを見極めることをおすすめします。

3行まとめ:残業の同調圧力をかけられたときの対処法

  • 自分が困ったときに助けてもうために「恩を売る」と思って手伝う
  • 会社やチームプレーは「お互いに助け合うもの」と考える
  • 恒常的で上司の管理能力の問題やパワハラなら、窓口に相談
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