平日休みの仕事が嫌になって、土日休みの会社に転職したい人から、次のような相談をいただきました。
相談
平日休みの仕事が嫌になりました。新卒で入社した車の販売会社ですが、毎週水曜日の定休日と、週のどこかであと1日休みを取れます。
入社前は「他の人とかぶらなければ土日でも可」と言われていました。営業職なので頻繁に土日に休みを取れないのですが、2ヶ月に1度くらいは土日のどちらかに休みを取って、友達と遊んだり、リフレッシュがしたいです。
ところが、土日に休みを取ると、部長からネチネチ言われるのです。先日も、誰ともかぶらなかったので土曜日に休みのシフトを入れたら、部長からすぐに電話がかかってきました。
「今度の土曜日なにか予定あるの?なんで?その日売れたはずだった台数はどうするの?日曜だけで売れる自信あるの?」と。
2ヶ月ぶりの土日休みでさえ何か言われるなんて、入社前は思ってもいませんでした。今のところ土日に休みを入れて何も言われなかった人は、冠婚葬祭と子供の行事のあった人だけです。
将来的に子供ができたら、平日休みでは家族サービスも苦労しそうで、子供に対して罪悪感を感じてしまいそうです。
こんな気持ちで仕事をしているので、最近は仕事へのモチベーションが下がってきてやる気も出ません。仕事をするために生きているわけではないのに……。将来のことも考えて、早めに土日休みの会社に転職するべきでしょうか?
[25歳♂/自動車販売/営業/新卒入社3年目/年収300万円~400万円未満/独身]
そこで、このページでは、人事・キャリア相談のプロ5名が、平日休みの経験やキャリア相談の経験を活かして、平日休みが嫌になった場合の転職タイミングについて、次のような内容で見解を述べていきます。
この回答をすべて読めば、今すぐ転職活動をした場合のメリットもデメリットも知れるので、平日休みの仕事をいつまで続けるか判断できるようになります。
回答1:ストレスが溜まって体調不良を起こす前に転職して
回答者:小池(元・職業訓練校職員)
転職回数:2回
入社前に聞いていた休日の話と実態が違ってご不満のようですね。
たしかに、休日は仕事のモチベーションを上げたり、人生を豊かにしたりするには大切なものです。他の社員の状況を見ても、土日に休みにくい状況のようですので、早めの転職をおすすめします。
私の友人も平日休みのサービス業の仕事が嫌で、土日休みの会社に転職していました。友人の元の職場は、どうしても休みたいときは、代わりの人を自分で探さないといけない職場だったそうです。体調不良でも代わりの人がいないと、無理して出勤していたそうです。
友人が平日休みの会社にいた当時、私はまだ学生だったので、友人の平日休みの日に遊んでいました。ですが、私が就職したらほとんど会えなくなりました。
そして、数年後に同窓会で再会した際に、「休みにくい職場のせいで、何度も体調不良になって入院までしたから、土日休みの会社に転職したんだ」と言っていました。休みにくいことがきっかけで、ストレスと体調不良が重なってしまったそうです。
「平日休みは良いこともあるけど、自分には合っていなかった」と言っていましたし、「転職したら休むこと自体に神経をすり減らさなくて良くなって、人生が楽しくなった」とも言っていました。
実際、学生時代に遊んでいた時よりも表情も明るく、元気になっていました。
このように、休みたい日に休めないという状況ではストレスが溜まる一方です。ストレスが溜まり過ぎて体調不良を起こしてしまう前に、早めに転職活動をスタートしてください。
回答2:土日休み以外の志望動機を準備してから転職活動をする
回答者:すみおか(元人事マネージャー&キャリアコンサルタント)
転職回数:1回
土日に休日が取れないと、家族のことや将来のことが不安ですよね。
その不安でモチベーションが下がっているようですが、焦って転職活動を始めないほうがいいです。しっかりと転職活動の準備を行なってから、土日が休日の会社に転職することをおすすめします。
なぜなら、土日が休日の会社を希望していても、土日休み以外のことを志望動機にしないと、採用試験で苦戦するからです。
私がキャリアカウンセリングをしている職業訓練校で、こんなエピソードがあります。残業が多くて休日もほとんど取れなかったために、体調を崩して退職をした訓練生がいました。
その訓練生は、「残業が少なくて休日が確実に取れる会社」という労働条件を志望理由に転職活動をしていました。ですが、労働条件が志望理由では面接官に評価されずに、不採用が続きました。
そこで、将来のキャリアデザインを明確にした上で、労働条件以外の「会社で実現したいこと」や「会社に貢献できること」を志望動機に変更するアドバイスをしました。その結果、選考がうまく進むようになって、無事に採用をもらうことができたのです。
ですので、休日などの労働条件以外が志望動機になるようにしっかり準備をしてから、転職活動することをおすすめします。
相談者さんはすぐに家族ができる状況ではないですし、今は休日が平日にあるので転職活動もしやすいので、焦らずに進めていくことができますよ。
回答3:土日休みの優先順位が高いなら、早めの転職はおすすめ
回答者:にひら(人事&キャリアコンサルタント)
転職回数:3回
入社前に聞いていた話と、実態とが随分と違うようですね。
残念ながら、平日休みが主流、しかも土日に休むことに対して厳しい目のある環境の会社はそう簡単には変わらないです。そのため、ご自分の中で土日休みの優先順位が高いのでしたら、早めの転職をおすすめします。
私も、最初に入社した会社が平日休みでした。「何日かなら土日に休みを取ってよい」と言われていて、実際に取れる会社ではありました。
それでも、友人や恋人ともなかなか予定が合わなくて、せっかく仕事を頑張っても稼いだお金を使う機会がない・・・という状況でした。
仕事内容は好きでしたが、平日休みを体験したことで、「土日に過ごせる大切な人たちとの時間がどれだけ有意義か」ということに気が付きました。
そこで、1年ほど経ったところで転職しました。転職後は土日休みになって、多少仕事が大変でも、土日の時間が充実していることで頑張れるようになりました。
というわけで、ご自身にとって土日に過ごす時間がとても大事なものなら、土日休みを実現するために転職するのはおかしいことではありません。優先順位の高い希望が満たされると、生活の満足度は高くなりますので、転職を前向きに検討してみてください。
回答4:上司に文句を言われない営業成績を残すのが先
回答者:仲森(元人事&キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)
転職回数:7回
「2ヶ月に1度くらい、土日どちらかで休みたい」という主張は常識の範囲内です。それなのに、部長という立場で平社員に直接電話をしてくるような労働環境は、あまり良いとは言えません。
ですが、すぐに転職をするのはおすすめできません。人材エージェントの視点で見ても、平日休みが嫌なだけの転職理由では人材としての魅力が弱くて、企業への推薦もしにくいからです。
まずは安定的に平均以上の営業成績を残して、優秀な営業マンの立場を確立してください。その上で部長に「他の日程で埋め合わせするので、この日は休ませてください」と主張するのです。
それでもまだ部長がネチネチ言うようであれば、転職もやむなしです。職務を全うしているのに、土日休みの権利を利用できないことになるので、平日休みの不満自体が転職理由として成立します。
「社内の規定であるはずの土日休みが満足に取得できない」という課題に対して、「解決のために手を尽くしたけどダメでした。だから今回は転職するしかなかったんです」というストーリーを話せると、転職理由の説得力が増します。
そんな視点で、ぜひ一度モチベーションを上げて、営業成績を残してから、改めて土日休みの希望を出してみてください。環境を自分の努力で改善する姿勢は、ビジネスマンとしてのスキルアップにも繋がって、一石二鳥です。
回答5:プライベートに重点を置きたいのなら転職を
回答者:澤井(元・人材コーディネーター)
転職回数:4回
将来を考えて今のうちから転職をするのは、アリだと思います。なぜなら、今の会社は「プライベートも充実させたい」という相談者さまの希望が叶っていないからです。
我が家の場合は、夫婦そろって「プライベートに重点を置きたい」派です。まだ子供がいなかったとき、主人は平日休みの会社に勤めていましたが、相談者さまと同じように将来的なことを考えて土日休みの仕事に転職しました。
当時は私もフルタイムで働いていて土日が休みだったので、「生活パターンを合わせたい」という気持ちもありました。
その後、子供が生まれて、「やっぱり土日休みの会社に転職してもらってよかったなぁ」と感じています。イレギュラーで休日出勤になることもありますが、基本的には毎週末が休みなので、家族で出かける予定が立てやすいです。
主人はよく、「子供はあっという間に大きくなるから、小さい頃の貴重な時間をできるだけ一緒に過ごしたい」と言っていますし、私もその気持ちに共感しています。
相談者さまの場合、上司が変わることで土日の休みが取りやすくなればよいのですが、部長の発言を聞くと、「営業は土日出勤が当たり前」な社風が浸透している印象を受けました。
念のため、先輩社員にそれとなくリサーチをしてみてください。「上司が変わっても土日休みは取りにくい」とわかったら、転職することをおすすめします。
働く原動力は人それぞれ違ってよいと思うので、「プライベートを充実させたい」という気持ちを大事に、行動に移してみてください。
以上「平日休みの仕事が嫌になった。早めに土日休みの会社に転職するべき?」の回答でした。
あなたは、これらの回答を読んでどう思いましたか?記事下にあるコメント欄にてご意見をお聞かせください。
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