「退職させてくれない」慰留ハラスメントを受けたら退職代行サービスを使うべき?

「退職したいのに、引き止めにあって会社を辞められない」「最近話題の退職代行サービスを使うべきか……」と悩んでいませんか?

退職できない

株式会社KADOKAWAが運営する「ダ・ヴィンチニュース」に、次のような記事が掲載されていました。


“慰留ハラスメント”で会社を辞められない…労働者の最後の救い「退職代行」の実際

人手不足の会社の中では、時に強引な引き止めをする、高圧的な態度で脅す、怒鳴る、暴力をふるうなどをする“慰留ハラスメント”が起きる

無責任な人ならば、会社を“バックレ”てしまえばいい。それができない人たちが、退職代行サービスを求める

仕事は自分の代わりにできる人がいるが、自分の命や健康、大切な家族やかけがえのない友人との時間を守れる人に代わりはいない

(引用:“慰留ハラスメント”で会社を辞められない…労働者の最後の救い「退職代行」の実際 | ダ・ヴィンチニュース (2019/12/07閲覧) )


結論を言うと、退職してくてもできない場合、「キャリアカウンセラーへの相談」→「退職代行サービスの利用」という順序で進めるとスムーズです。

そこで、このページでは、

  1. 元・人材コーディネーター
  2. 人事労務&キャリアカウンセラー
  3. 人事&キャリアコンサルタント

といった退職手続きに知見のある3名が、退職引き止め問題について、次のような内容で見解を述べていきます。

この見解をすべて読めば、退職したくてもできなくて悩むことなく、スムーズに退職ができるようになるはずです。

それでは、3名の見解をじっくりとお読みください。

見解1:精神的な負担が軽くてすむのなら、退職代行を利用するのもアリ

回答者澤井(元・人材コーディネーター)
転職回数:4回


今回のダ・ヴィンチニュースの記事にある

仕事は自分の代わりにできる人がいるが、自分の命や健康、大切な家族やかけがえのない友人との時間を守れる人に代わりはいない

という部分にとても共感しました。なぜなら、以前に下記の回答でも書いていますが、

働くうえで健康より大切なものはないと思うからです。

私は転職経験が4回ありますが、新卒で入社した会社を辞めるときが一番大変でした。退職を決めてから、社内ルールに従って、まずは直属の上司に退職の意向を伝えました。

ですが、「繁忙期にそんな話を私から部長にはできないから、自分でどうにかして」と言われてしまいました。

その日以降、直属の上司からは冷たい態度を取られて、仕事中もものすごく気まずい雰囲気でした。繁忙期に会社を辞めることに引け目を感じてしまって、直属の上司からの冷たい言動にも耐えるしかありませんでした。

このまま直属の上司に任せておくと、いつまでたっても話が進まなさそうだったので、直接私から部長に退職の意向を伝えて、何とか退職を承諾してもらえました。

私の場合は精神的に追い込まれるほどではありませんでしたが、思っていた以上に労力が必要となりました

それに、当時はまだ若かったので、会社と調整がつけば有休消化できることも知らなくて、あとになって「もっと有給の権利を主張してもよかったんだ……」と後悔しました。

ということで、ブラック企業で退職させてもらえずに慰留ハラスメントを受けるぐらいなら、お金を払ってでも退職代行サービスを利用したほうが、精神的な負担が少なくすむと思います。

見解2:キャリアカウンセラーも退職相談に応じてくれる

回答者中川(人事労務&キャリアカウンセラー
転職回数:1回


退職させてくれない会社に対して、退職代行サービスを利用して退職する方法は同意です。

ですが、キャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントに相談して、退職を支援してもらうのもおすすめです。高額な費用を払わなくても、あっさり退職できることもあるからです。

以前、40代の女性から転職の相談を受けました。話を聞くと、「社内で引き留めに遭って退職することができない」とのでした。

そこで、まずは社内の退職の実態と就業規則を確認してもらいました。退職者は3年で2名ほどいて、退職の流れも一般的で、退職願いの提出後に退職をしていました。就業規則も一般的な企業とそれほど変わりません。

再度、なぜ退職できないのか詳しく聞き出してみると、実は退職願の書き方がわからなくて、口頭だけに留まっていたことが原因でした。

すぐに退職願の書き方のレクチャーをして、退職願を提出してもらったところ、すんなり退職日程が決まって、無事に退職の運びとなりました。

このように、退職したくても退職できない場合、退職の正しい手順がわかっていなくて退職の引き止めに遭ってしまうケースもあります。

そんなときは、退職代行サービスを使う前に、キャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントに相談するのも一つの方法です。

見解3:慰留ハラスメントに遭ったなら、退職代行サービスも利用するべき

回答者大山(人事&キャリアコンサルタント)
転職回数:4回


仕事は自分の代わりにできる人がいるが、自分の命や健康、大切な家族やかけがえのない友人との時間を守れる人に代わりはいない

という考えに共感しました。安易に「退職代行サービス」を勧めるわけではありませんが、身体を壊してまで仕事する必要なんて絶対にないです。

私は人事という仕事に就いているからか、最初テレビで退職代行の特集を見た時に、「自分の退職を人任せにするなんて寂しいな」なんて思っていました

ですが、今回のダ・ヴィンチニュースの記事を見て考えを改めました。私も2社目の会社を退職する時に、何度も退職を慰留されて、「いつになったら辞められるのだろう……」と感じていたことを思い出したからです。

当時、上司に退職の意向を伝えたものの、なかなか退職届が受理されなくて、何度も飲みに連れて行かれて慰留を説得されていました。

上司は「大山のためを思って」と言っていましたが、上司の上の本部長からの責任追及を恐れているのが見え見えでした。

私も、私以外の退職したメンバーも、退職理由はこの上司が原因ではないのですが、私の部署で次々と人が辞めていたからです。

幸い、私の場合は「慰留ハラスメント」と言うほどには至っていませんが、慰留ハラスメントに遭っていたら、非常に精神的にきつい状況に陥っていただろうなと思います。

もし、自分の健康や命の危険を少しでも感じたなら、退職代行サービスも利用していたかもしれません。

というわけで、退職しようとして慰留ハラスメントに遭った際は、退職代行サービスでもなんでも辞めるために有効な手段を使って、早く辞めてしまうべきだと思います。


以上「「退職させてくれない」慰留ハラスメントを受けたら退職代行サービスを使うべき?」の見解でした。

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