仕事でミスばかり続いて落ち込んでいる場合の対処法は、「休日に時間を作って、業務フローを冷静に見直してみる」ことです。相談事例を元に詳しく解説していきます。
仕事で小さなミスを何度も繰り返してしまう悪循環に陥って悩んでいます。私は元々慎重な性格でミスも少なかったのですが、一度のミスがきっかけでミスを連発するようになってしまいました。
ミスが続くようになった原因は、上司の叱責です。ミスは大きな損害が出るようなものではなくて、他の社員でもしてしまうようなよくあるミスでした。
ですが、その日は上司の機嫌が悪かったのです。大勢の他の社員がいる前で、半ば八つ当たりに近い感じで大声で叱られ続けました。時間としては10分くらいでしたが、私には永遠に感じるような、長くつらい時間でした。
それからというもの、ミスをしていないか必要以上に何度も何度も確認してしまう→仕事の完了が遅れる→上司に「早くしろ」と怒られる→急いで仕事をする→ミスをする→また怒られる・・・という悪循環に陥ってしまいました。気分も落ち込んでしまって、抜け出せなくなりました。
最初は同情して助けてくれた他の社員も、今では呆れ顔です。私は一体どうしたらいいのでしょうか?
[相談者:28歳♂/運送業/トラックドライバー/入社2年目/年収300万円~400万円未満/既婚(子あり)]
回答1:休日に時間を作って、業務フローを冷静に見直してみる
回答者:すみおか(元人事マネージャー&キャリアコンサルタント)
転職回数:1回
上司の叱責が原因でミスを繰り返す悪循環から早く抜け出したいですね。
ミスの悪循環から抜け出すには、休日に時間を確保して、ミスが発生している原因を冷静に探ってみることをおすすめします。なぜなら、忙しい業務中に考えると、対応策を間違えてしまうことがあるからです。
落ち着いた環境で業務内容を整理することで、ミスの根本的な原因に気づいて、適切な対応策を考えられるようになります。
このやり方は、私がシステム開発の仕事をしていたときの経験によるものです。私は新入社員としてシステム開発部門に配属されたのですが、仕事に慣れてきたころにミスを多く起こすようになりました。
相談者さん同様に、ミスを起こしたくないために何度も確認をして時間がかかってしまって、今度は違うミスを連発していました。
そこで、休日に落ち着いて業務フローを分析しました。行なっている業務を一つひとつ書き出して分析した結果、無駄な作業が多くあったことと、同じ内容の確認を何度もしていることが明らかになりました。
ミスの原因がわかったので、業務フローを見直して、作業内容と確認ポイントを整理にした結果、ミスがなくなっていきました。
相談者さんは「慎重な性格でミスも少なかった」とのことなので、無駄な作業がなくなって時間に余裕ができれば、ミスは減ると思います。ミスが減れば、周囲の信頼も取り戻せて、上司からの叱責のトラウマも減っていくでしょう。
以上のことから、休日など業務時間外に時間を確保して、業務フローをゆっくりと見直してみることをおすすめします。
回答2:私も実践する、メモ&チェックリストの作成がおすすめ
回答者:にひら(人事&キャリアコンサルタント)
転職回数:3回
ミスは誰にでも起こることです。さらに言えば、細かいことが苦手で「ミスをしやすい人」もいます。実は私もそうです。今回は、そんな私も実践している、チェックリストの作成をおすすめします。
私は元々とてもミスが多くて、自分では確認したつもりでも、間違えることがよくありました。そんなとき、上司に教わったのが「ミスは起こったときにメモして、次からはチェックリストにするといいよ」ということです。
それから、私はミスが起きたときにすぐにメモして、それらをチェックリストにしました。
例えば、イベントの準備でいつも何か備品を忘れる場合、備品のチェックリストを作っておきます。そして、次にイベントを行なうときには、そのチェックリストを元に準備をするのです。自分の記憶ではなくて、チェックリストを元にしているので、そこから備品の忘れ物はなくなりました。
また、チェックリストがあることで、「これがあれば大丈夫だね」と、それまで私の忘れものを何度も心配していた上司が、何も言わなくなっていきました。
さらには、担当が変わったときにもそのリストが使われるようになって、のちに感謝されるようになりました。それからは、ミスをするたびに、きちんとメモに落として、抜けた作業をチェックリストにすることを徹底しています。
今回の場合、「焦ってミスが続いてしまう」ということですが、焦っているときも、チェックリストがあると落ち着いて作業を確認することができます。ぜひ、試してみてください。
回答3:再発防止の徹底には、「具体的な手順レベル」の対策が必要
回答者:まつした(人事、労務、法務責任者)
転職回数:3回
ミスした場合、やるべきことが二つあります。ひとつは、ミスによる被害を最小限に食い止めることです。あわせて、お客さんに迷惑をかけた場合は最優先でお詫びをいれます。
もうひとつは、再発防止です。仕事の失敗は仕事でしか取り返すことはできません。同じミスを二度繰り返さない、これを徹底すれば、ミスをグッと少なくすることができます。では、どうすればミスを繰り返さないか、その方法を考えていきましょう。
私は、ミスした部下を指導する側ですが、例えば、「ここ、間違えているよ」と注意したとします。注意された部下は「すいません、次は気をつけます」と反省します。しばらくは意識しているので問題ないですが、急いでいるときや注意が散漫になっているとき、同じミスをうっかりしてしまうのです。
このようにミスが再発してしまうのは、再発防止策が「気をつける」という「単なる意識レベル」になっているからです。
なので、再発防止を徹底させるためには、「具体的な手順レベル」で対策を立てることが必要です。計算ミスであれば、「必ず検算をする」、入力漏れであれば、「入力件数を確認する」といった手順に落としこみます。仮に急いでいたとしても、手順に組み込んでいれば、同じミスは抑止することができます。
ちなみに、業務を行なうときは、やはりリラックスした状態が望ましいです。緊張した状態では、普段、起こさないようなミスもしやすくなります。
私の場合、自分のデスクに100均で買った観葉植物を置いています。水やりが気分転換になりますし、マイナスイオン効果を期待しています。「好きなもの」が近くにあることが心理的にもプラスに作用するものです。こちらもあわせて試してみてください。
まとめると、ミスを繰り返さないように徹底するには、具体的な手順によって対策を立てることです。これまでしたミスも、再発防止策として具体的な手順を考えて、今後の作業に加えてみてください。ミスは必ず減ります。
回答4:根本的な原因は自分。ミスをノートに書き出して見返す
回答者:仲森(元人事&キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)
転職回数:7回
まず、「ミスをするのは上司の叱責のせい」というスタンスで仕事をするのはやめましょう。
根本的な原因は上司の叱責ではなくて、上司の叱責によって平常心を失って、ミスを生じてしまうデリケートなメンタル面です。他責にしていてはどんな工夫も効果はありません。
もともとミスは少ないと自己認識されているようですが、多忙さや人間関係が原因でミスが生じてしまうレベルだから、周囲も呆れ顔なのです。
ですので、初心にかえり、毎日「どんな仕事でどんなミスをしたのか」をノートに記して、「どうすればミスを防げたのか」、対策をまとめましょう。どんな些細なミスでも「もとは上司のせい」と思わずに、「未熟な自分のせい」と捉えて、全てノートに書き出すのです。
休憩時や昼食時にそのノートを見返すことによって、同じミスを繰り返す確率は減っていくはずです。そして、これを続ければ1ヶ月から3ヶ月くらいで効果が出始めます。
私も新人時代、自信過剰でしたがミスを繰り返していました。そんなとき、「自分は何もできないんだ」と心を入れ替えて、上記の方法を実践して、少しずつミスを減らしていくことができました。
というわけで、他責にせず、ミスをしてしまう事実を受け入れて、地道に改善していきましょう。
回答5:「原因・改善策の分析+気持ちの切り替え」で脱却する
回答者:小池(元・職業訓練校職員)
転職回数:2回
一度のミスがきっかけで、ミスの連鎖から抜け出せずにお困りのようですね。相談者さまは、続けてミスしてしまう理由が分析できているので、あとは、どこを改善するとミスか止まるのかの分析と、気持ちを切り替えるきっかけがあれば、ミスのスパイラルから抜け出せます!
私は新人時代に失敗を繰り返したときに、上司から「失敗はしても大丈夫だから、自信の持てる仕事をしてね」という、仕事をする上でとても大切だと思う言葉をかけてもらいました。
そこで、どうしてミスをしたのか、どうしたら同じミスを繰り返さないのかを分析して上司に報告したり、苦手な部分を先輩に教わりなおしたりしました。でも、また同じミスをしたくなかったので、頭の中はミスのことばかりでした。
そんな週末の課の終礼で、上司から突然、「今日のひとことは小池さんからお願いします」と指名されました。そして、ミスをしてしまったことや、現在ミスをしないように工夫していることを話しました。
私はその出来事がきっかけで、「ミスをしたくない」という後ろ向きだった気持ちが、「ミスのない仕事をしよう!」という前向きな気持ちに切り替わって、一つひとつの仕事に集中できるようになった結果、ミスが減りました。
そして、この経験がベースとなって、そのあと別の仕事でミスをしたら必ず、「ミスの原因分析、改善策分析、気持ちを切り替えるきっかけ作り」をセットにして、ミスのスパイラルに陥らないように心がけています。
気持ちを切り替えるきっかけ作りは、仕事前にいつもと違うコーヒーを飲むなどの些細なことでも良いです。自分で「これをやれば大丈夫」というジンクスを作ってしまうのです。
相談者さまは原因はもう分析できているので、何度も確認する以外の改善策と、落ち込んだ気持ちを変えるきっかけを作って、ミスの連鎖から抜け出しましょう!
回答6:「ミスをしないで仕事ができる自分」をイメージする
回答者:澤井(元・人材コーディネーター)
転職回数:4回
ちょっとしたことがキッカケでミスが続いてしまっているのですね。
この状況から抜け出すには、「ミスをする前提」で考えないことです。どんな業務をするときでも、うまくいくイメージを持って行動することをおすすめします。なぜなら、いつまでもミスをしてしまったことを気にしていると余計に不安になって、結果、またミスをしてしまうからです。
私が派遣会社で人材コーディネーターをしていたとき、「いつも面接で失敗してしまうんです」と言う人は、たいてい「失敗してしまったこと」をいつまでも覚えている人でした。失敗したことを改善して次につなげることは大切ですが、いつまでも失敗した記憶にとらわれるのはよくありません。
ですので、そういう人には「どうやったらうまく面接を乗り切れるのか、成功するイメージを思い描きましょう」とお話ししていました。そうすると、面接対策のロープレで話す内容がポジティブになったのです。
相談者さまは、もともと慎重な性格でミスも少なかったと自覚されているのですから、必要以上に心配しなくても大丈夫です。上司に怒られてしまったことも、「たまたま上司の機嫌が悪い日にミスをしてしまって運が悪かったな」ぐらいに思って忘れましょう。(ただし、同じミスは繰り返さないように!)
ということで、「ミスをしないように、しないように・・・」と考えるのではなくて、「しっかり確認したから大丈夫!」とポジティブなイメージを持つようにしてみてください。
以上「仕事でミスばかり続いて落ち込んでいる。対処法はある?」の回答でした。
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