プライベートの時間がない。年収が大幅にダウンしても転職すべき?

今回は「プライベートの時間がない。年収ダウンしても転職するべき?」という悩みにお答えします。

自動車部品の量産工場で6年間仕事をしています。非常に忙しい職場で、月の平均残業が80時間以上にもなります。帰りは毎日22時くらいで、土曜日も出勤になることが多いです。休日は日曜日と祝日だけですが、たまに日曜日も仕事が入ります。残業代は出ています。

私には妻子がいます。子供がまだ小さいので休日に家族サービスをしたいのですが、時間がなくてほとんどできていません。職場の先輩たちも忙しくて、「家族サービスができていない」と聞きます。中には、家族と疎遠になって離婚してしまった人もいます。

そこで、家族サービスの時間が欲しくて異常な残業の無い会社に転職を考えています。ですが、今までの残業代がなくなると、年収が100万近く下がって生活が苦しくなります。それでも家族のためなら転職するべきでしょうか?

[相談者:36歳♂/自動車部品の製造販売会社/金属機械加工職/入社6年目/年収500万円~600万円未満/既婚(子あり・共働き)]

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回答1:身体が健康なうちに転職をするべき

転職することをおすすめします。なぜなら、プライベートの時間も取れないような労働環境でこのまま働き続けると、体調を崩してしまって、働くことすらままならなくなってしまう可能性があるからです。

人材コーディネーターとして勤務していたときのことですが、過酷な労働環境が原因で体調を崩してしまった人が派遣登録に来ることがありました。

体調不良で退職しているので、ブランクが空いてしまって、「転職活動が不利になった」と感じているようでした。正社員雇用の求人ではなかなか内定がもらえなくて、仕方なく派遣求人に応募したそうです。

新卒1年目で、心身ともに疲れて転職を考えている」の相談でも回答しましたが、仕事は健康な身体があってこそできるものです。「健康な身体」と「年収100万円分」どちらを取るかは、考えるまでもなく「健康な身体」です

年収が100万円下がると生活が苦しくなるのはツラいところですが、奥様と家計の見直しをして、お金をかけるべきところと削るところを話し合ってみてください。

ということで、体調を崩してしまう前に転職することをおすすめします。年収が下がっても正社員として転職できる今のうちに動くほうが得策です。

回答2:転職を決断する前に、残業時間の調整や情報収集をする

転職を考える前に、まずは残業時間を調整するのが先です。なぜなら、「毎月の残業時間が80時間越え」というのは、政府の過労死基準を超えているからです。

残業時間の調整ができないか、上司に相談してください。相談しても残業時間を減らしてもらえないようでしたら、労働基準監督署に勤務表を提示して、指導・改善してもらう方法もあります。匿名でも報告ができますので、在職中でも影響はありません。

これで、転職しなくても「プライベートの時間がない」という問題は解決できます。ですが、残業時間が減ると、給与も減ってしまいます。プライベートの時間が取れれば給与が減ってもOKなのか、やはり給与も維持しないと厳しいのか、ここで判断してください。

「プライベートの時間も取りつつ、収入も維持したい」となった場合には、今よりも給与の良い会社に転職をするしかないです。ただし、転職するか否かの最終結論を出す前に、転職エージェントに登録して、年収アップの可能性があるのか、自分の市場価値や適性年収を調べてみてほしいです。

同時に、転職サイトにも登録して、収入アップが見込める求人や、給与はさほど変わらなくても、福利厚生などの諸手当が充実している求人があるかどうか探してみてください。例えば、住宅手当や家族手当が月に3万円あるだけで、年間36万円の収入になります。

ご自身に年収アップの可能性があるのか、年収アップを実現できる求人があるのか確認できたら、本格的な転職活動を進めてみると良いでしょう。

ということで、まずは残業時間の調整に動いてください。そのあとに情報収集をしてみて、転職すべきか結論を出してみてください。

回答3:家族との時間は貴重。スキルアップも兼ねた異動か転職を

プライベートの時間がないために、家族サービスができなくてお悩みのようですね。お子さんが小さくてかわいい時期は、あっという間です。それに、仕事は代わりの人がいくらでも作れますが、お子さんのお父さん、奥様にとっての旦那様は一人しかいません。家族を一番に考えているのでしたら、異動か転職をおすすめします。

私にも幼い子供が2人いますが、日々の成長がとても早くて1年があっという間です。お父さんが育児参加できるのも「今のうちだけ」と言っても過言ではありません。

実際、我が家も子供が生まれたことをきっかけに、夫は社内での異動を願い出ました。やはり年収が100万円ほど減りましたが、家庭を優先した結果なので後悔はしていません。収入の大幅減は、夫婦で協力して何とかなっています。

それに、プライベートの時間が増えることで、家族サービス以外にも自身のスキルアップの時間も取れるようになります

夫は、残業や休出が減ってできた時間で、英語の勉強をしてスキルアップをはかっています。スキルアップをすることで、異動や転職で年収が大幅ダウンしても、そこからアップする道が開けます。

というわけで、お子さんが小さいときの家族サービスは大切です。異動か転職をしてプライベートの時間を確保して、家族サービスとスキルアップの時間、両方を手に入れてください。

回答4:年収ダウンはリカバリー可能。転職を前向きに検討して

職場の同僚も含め、残業が多い職場なのですね。「家族サービスがしたい」という想いが強いようですから、パートナーとよく話し合った上で、転職をおすすめします。

プライベートの時間がないことは、心身ともに疲れ果ててしまう原因のうちの一つです。私のところにキャリアカウンセリングに来る人の中にも、家族サービスができないことで、家に帰っても家族から冷たい仕打ちを受けて、最終的には心身の体調を崩してしまっている人が何名かいました。

心身の調子を崩してしまった結果、仕事がうまくいかなくなることが多くて、中には休職せざるを得なくなった人もいます。仕事とプライベートのバランスは、仕事にも大きく影響するのです。

今回、「年収が100万円ダウンする可能性がある」とのことですが、長期的に心身ともに健康に過ごせるのでしたら、取り戻せる可能性が大きいです。

ただ、一時的な年収ダウンをパートナーが気にするケースもあります。元々家族のために転職するわけですので、パートナーには「長期的に見てプラスの転職であること」をしっかり伝えてください。

ということで、仕事とプライベートのバランスは大切です。体調のこと、年収のことをパートナーとよく話し合って、転職を検討してみてください。

回答5:人生設計をして、最適なキャリアプランを選択する

今は「ワーク・ライフ・バランス」と言われるようになって久しいので、プライベートの時間がないことを理由に転職することは珍しくありません。とはいえ、収入面のことを考えるとやはり迷ってしまいますよね。
 
そういう時には、「ライフプランシート」を活用して、ご家族を含めた将来計画を考えてみましょう。ライフプランシートとは、自分と家族のライフイベントを書きだして、必要な収支計画を棚卸しするものです。
 
書き出してみることで、お子さんの成長に合わせた仕事とプライベートの時間配分や、各イベントを鑑みた転職時期や転職条件の目安など、自分らしく生活をするためにどうするべきかが見えてくるはずです。
 
また、「残業が月平均80時間」というのは一般的に見てもかなり多いので、健康面のリスクからも働き方を見直すことは大切です。転職もまだまだ可能な年齢ですので、一時的に収入は減っても、長く働ける環境でキャリアアップするほうが、長い目で見るとご家族との生活の充実につながります。

まとめますと、今後のライフイベントや収支を含めたライフプランを考えてみる。その上で、ライフプランを実現のするために最適なキャリアプランを選択することをおすすめします。

回答7:家族と話し合って転職すべきか決める

今回転職すべきかどうかについて、奥様とは相談されましたか?夫婦として、家族として、何を大事にすべきか、お互いの価値観をすり合わて結論を出すことをおすすめします。

もし、まだ奥様と相談していないなら、「家族のために」というよりも、「自分のために転職をしたい」と考えていると断言します。

というのも、私はこれまで「プライベートの時間がなくて転職を考えている」という既婚男性からの面談をしてきました。彼らの話をよくよく聞くと、奥様からの不満は一切無くて、「プライベートな時間を欲しいと思っているのは自分だけだった」というケースが散見されたからです(笑)

年収ダウンの可能性がある転職するときは、お金やプライベートの優先順位を家族と共有していることが大切です。年収が下がっても転職すべきかどうかは、私たちのような他人に相談するのではなくて、奥様との話し合いで決めてください

誰のための転職なのか、年収が下がる件の同意はあるのか、夫婦で話し合っておかないと、内定が出たあとにいわゆる「嫁ブロック」が発動する恐れもあります。それでは本末転倒ですよね。

仕事で忙しくても、今はメールやLINEなどでコミュニケーションが取りやすい環境はあります。にもかかわらず、夫婦で話しあうべきことを第三者に相談してしまうのは、「普段からの夫婦でコミュニケーションを取れていないのでは?」と思ってしまいました。

夫婦の会話がなくなると、最悪の場合は離婚にまで発展します。そうならないためにも、年収が下がっても転職すべきかどうか奥様とじっくり話し合ってみてください。

3行まとめ:プライベートの時間がない場合は転職するべきか問題

  • 健康なうちに転職する。年収ダウンしても取り戻すことは可能
  • 転職して年収アップが可能かどうか、転職エージェントに登録して確認
  • 転職で年収ダウンの可能性があるなら、家族との相談は必須

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