今回は「尊敬できない上司の下でも、気持ちよく働くにはどうすればいい?」という悩みにお答えします。
私の上司はとにかく、見た目も性格も「小物」という表現が良く似合う人で、いつも小さなことにこだわって横柄な態度で接してきます。
たとえば、仕事の相談のときに、「○○したほうがいいですか?」と聞いたら、「『いいですか?』じゃない。『いいでしょうか?』だろ」など、ちょっとした口調の違いだけでも注意されます。
また、先日入社してきたばかりの背の高い若手の新入社員は、普通に仕事の報告をしただけなのに、「なんだ?その偉そうな態度は?見下しているのか!」と怒られていました。
怒られた彼が次の日、忍者のような片膝立ちで上司に報告をしているのを見た時は思わず笑ってしまいましたが・・・。
とにかく、下の立場の者にはちょっとしたことにすぐにイチャモンをつけてくるのです。その一方で、自分より上の立場の人だとゴマを擦るような態度でヘコヘコしています。
上司は中途採用なので、出世が遅かったことがコンプレックスのようです。生え抜きの年下の上司には、媚びるだけ媚びておいて、あとでずっとグチグチと陰口を言っています。陰口を聞かされる職場の雰囲気は最悪で、仕事が嫌になってきました。
人として尊敬できない小物上司の元でも、気分よく働くにはどうすればよいですか?
[相談者:27歳♂/マンション販売/営業職/入社5年目/年収400万円~500万円未満/独身]
回答1:どんな上司の元であれ、ベストを尽くすことが仕事の基本姿勢
立場が下の者には厳しいのに、上の者には、からっきし弱い。さらに口を開けば、他部署の陰口ばかり。程度はどうであれ、どの会社にもいますね、そういう上司って。人としての器の小ささを感じます。
そんな尊敬できない上司には、基本的に関わり合いを「最小限」にして、なにか言われても「気にしない」、これに尽きます。
ですが、仕事の基本姿勢は、どんな上司であっても、「ベストを尽くす」ことです。上司の態度にイライラしたり、仕事への情熱を失ったりして、本来の実力を出せなければ、めぐりめぐって、あなた自身が損をすることになります。
お客さんにも迷惑をかけることになりますし、その結果、自分の評価を下げてしまいかねません。
私も尊敬できない上司の元で働いた経験があります。基本的には上司との距離を置くのですが、もうひとつ、「なぜこの仕事をはじめたのか」を常に考えるようにしました。仕事の本質を考えたり、初心を思い出したりすると、不思議と尊敬できない上司へのイライラがちっぽけな悩みに思えてくるのです。
マンション販売であれば、「幸せな家づくりのお手伝いができる」「一生で一度の高い買い物のよきアドバイザーになる」などのやりがいがたくさんあります。営業職であれば、数字が直結する職種です。受注をいただいたり、予算を達成する喜びもあるでしょう。
仕事は上司のためにするものでなく、お客さんのためにするものです。尊敬できない上司のせいで、モチベーションを失ってしまうのは、とてももったいないです。どんな上司であってもベストを尽くすことが仕事の基本姿勢とし、意識を高く持ちましょう。
回答2:上司を認めて気分を良くさせることで、攻撃を回避する
尊敬できない上司にあたってしまったときに、「あの人はなんて嫌な人なのだろう」と思っていても、相手は変わりません。なので、あえて上司が気分良く仕事できるようにサポートして、自分が嫌な目に合うことを避けるのが良いです。
私も一時期、上の立場の人にはゴマをすって、下の立場の人には偉そうなことばかり言う上司の下で働いたことがあります。初めはまったく好きになれなくて不快な気分を抱えていたのですが、その態度が外にも出てしまうのか、あたりはきつくなっていきました。
そんなある日、「上司は人に認められていないから卑屈になるのか」と気がつきました。そして、上司に「いつも注意してくださるおかげで、お取引先に言葉遣いがとてもよいと褒められました。ありがとうございます」と良いところを伝えたり、仕事もサポートするようにしました。
すると、上司は「お前はよくわかってるな!」と気分が良くなって、厳しいことを言われなくなりました。
今回の上司の場合も、出世が遅くコンプレックスがあるようだとのことなので、「人からの尊敬」や「認められること」に飢えている可能性が高いです。
もちろん、最初は不快だとは思いますが、「上司は自分で自分を認められないのか。それなら私が認めてあげよう」という気持ちで、あえて上司が気分良く過ごせるような言葉をかけたり、行動を取ってみてください。
回答3:多様な人と働く上での処世術を学ぶ機会と捉える
ご相談を読んでいると、上司は自信のなさから、下の立場の人を怒鳴って萎縮させることで威厳を保とうと必死なように見えます。
ここはまともに付き合ってストレスを溜めるのでなくて、「合わない人と働くときの距離感の保ち方や、社会人としての悪い例を学ぶ機会」と発想を転換して、自分の成長に繋げていくことをおすすめします。
というのも、同族企業で数名の企業なら話は別ですが、一般的な企業でしたらその上司との関係は期間限定的なものなので、割り切って考えることも大事だからです。
実際に私も昔、横柄な態度で、機嫌が悪いときに理不尽に怒鳴る上司と仕事をしていたときがありました。
当時は転職も考えるほど苦痛でした。ですが、仕事と割り切って最低限の関わりに留めて、上司の考えや気持ちを汲み取って行動して、少しでも攻撃を和らげるように努めることで乗りきりました。
その後、異動で様々なタイプの上司に変わっても、そのときと比べるとたいていのことは楽に感じることができました。また、「相手の考えに配慮して事前準備を欠かさない」といった振る舞いは、仕事の面での成長につながりました。
出世の遅さがコンプレックスでは?とおっしゃっていますが、上司の人間性も影響しているかもしれません。上司の指導方法を観察しながら、「自分なら部下からどう言われたいか」「理想的な対応は何だろう」と考えて、実践してみることは自分のマネジメント能力向上にも役立つでしょう。
今後、上司になる人たち全てが尊敬できるかはわかりません。様々な人と関わって働いていく上での処世術を学ぼうと前向きに捉えることで、一時的な上司との関わりを乗りきりましょう。
回答4:私はダメ上司を「反面教師」と思って心を空にして接した
元・職業訓練校職員の小池です。
人によって態度がコロコロ変わる上司って困りますよね。職場の雰囲気も悪くなるし、尊敬できない人から指示されて仕事をするのは苦痛にもなりますよね。
気分よく働くためには、上司だと思わずに「反面教師」だと思って接してみることをおすすめします。腑に落ちないことがあるたびに、心の中で「自分はこうならないようにしよう!」と誓いつつ、目の前の上司はわざと悪い例を見せていると思って接するのです。
私もプログラマ時代に客先に作業をしに行ったときに、同じような上司の元で働いたことがあります。プロジェクトリーダーが、やはり上の立場の人にはペコペコ&下の立場の人や外注には横暴で、職場の雰囲気はお通夜のようでした。
「マウスの音をならすな!」とか「トイレに1日何回も行くな」など、どう考えてもおかしいと思うようなことを言われたり、提出した報告書を読む前に「やり直し」と言われたりしました。
そこで、一緒に作業をしている先輩に愚痴をこぼしたところ、意外にも先輩から「あれは反面教師で、わざわざ自分から嫌われることをやってるんだよ」や「反面教師だから何か言われても気にしないでいいんだよ」と言われて目からウロコでした。
それ以来、何か言われても心を空っぽにして嫌味は右から左に流し、必要な指示だけ聞き取って作業をしていると仕事に集中できました。
嫌なことを言われたりされたりしても「私はこうならないようにしよう!」と思うことで、気分が落ち込むこともなくなりました。そのうえ、無駄な言動をスルーする力もついて、その後の業務に大きく役立ちました。
このように、「上司」と思わずに「反面教師」だと思って心を空にして接すると、上司の態度に気分を左右されることも減って、気持ちよく働けるうえにスルー能力も付いて良いことづくしです。ぜひチャレンジして、明るい気分でお仕事に集中してください。
回答5:心理的な距離をおいて、笑いの対象と捉える
結論から申し上げると、尊敬できない上司とは心理的な距離を置いて、「笑いの対象」として見ましょう。
例えば、ちょっとアクが強いお笑い芸人、もしくはやんちゃなペットのように、「別次元の人や動物」と見なせば、上司の言動にいちいち腹を立てたり悩んだりするのはバカバカしく思うでしょう。対等な人間として見てしまうから、嫌な気分になってしまうのです。
それに、今回の相談で登場するようなキャラクターの上司はどこにでもいます。他人を変えるよりも、目の前で起きている事実の解釈を変えるほうがはるかに簡単で、合理的です。
「うわっ。今度はこんなことに突っ込んできたよ!(笑)」とか、「ここでそう来るか!斜め上から予想外(苦笑)」など、怒られたり嫌味を言われる行為を、ひとつのコンテンツとして楽しんでしまいましょう。意味のわからないことで怒られたとしても、それを一つの笑いのネタにしてしまえば良いのです。
同僚との飲み会で上司の小物ぶりを笑って盛り上がれば一体感も生まれ、結束も固まり一石二鳥です。
私も今の職場で、ちょうど同じような年上の社員がいて、心理的な距離を保って表面上は平穏を装っていますが、上司のいない飲み会では笑いの対象として盛り上がり、「まともに相手するだけムダだよね。こっちが大人にならなきゃなね。」というオチが付きます。
そんな小物の上司にまともに付き合って人生を消耗してはいけません。視点をちょっと変えて、大人の対応をしましょう。
回答6:上司の機嫌を取って、心の中では笑い飛ばそう
役職に就く人が、みな仕事もできて人間性も素晴らしい人ばかりだといいのですが、そうとも限らないですよね。
気分よく働くためには、上司の前では思いっきり愛想よくして機嫌を取って、心の中で「こんなんじゃ出世するわけない!いつかツケが回ってくるはず」と唱えて、やり過ごすことです。
なぜなら、どう頑張っても今すぐ上司に異動してもらうことはできないので、それだったら嘘の言葉を並べて機嫌をとったほうがマシだからです。
私の知人にも、同じような上司に巡り合ってしまった人がいました。かなり攻撃されていて、精神的にも参っているようだったので、「適当に愛想よくして、心の中で『小物だな~』と笑い飛ばせばいいよ。そんな人は絶対に出世するわけがないから!」とアドバイスしました。
最初の頃は機嫌をとっても無視されていたようですが、徐々に上司の攻撃的な態度が和らいだと言っていました。その後、上司は異動になったのですが、誰が見ても左遷だったようです。やはり、人間性が伴っていない人は会社から評価されないんだなと思った出来事でした。
ということで、この状況をおもしろがるぐらいの気持ちで、上司の機嫌を取ってみてください。小物上司に左右されて仕事のモチベーションが下がってしまうのはもったいないです。
コメントを書く
この記事へのコメントはありません。