中途入社してきた年上の部下が言うことを聞かない。どうやって対応すればいい?

今回は「年上の部下が言うことを聞かない」という悩みにお答えします。

入社して5年目でついに昇進を果たしました。10人程度の小さな部署で「課長補佐」という役割ですが、「これまでの成果が認められた!」と最初は喜んでいました。

ですが、喜んでいられたのも始めのうちだけです。私の部署は営業さんのサポートとして、提案資料を作成したり、代わりに調査に行ったりする役割です。難易度は高くない仕事なので、新入社員が新卒・中途関わらず配属されます。

そんな中、私を悩ませているのが、中途で入社して来た年上のAさん(30代男性)です。Aさんは30歳を過ぎて別の業界から転職してきたので、うちの会社の業務(不動産)には詳しくないのに、とにかく私の言うことを聞きません。

プライドが妙に高くて、仕事を指示しても「こんな下仕事できるかよ」と文句を言って、真面目にやってくれないのです。

明らかに有能であれば気持ちもわかりますが、渋々やっている提案資料づくりや調査レポートを見ても、出来栄えはあまりよくありません。ですが、私も年齢が下なので、あまり強く言うことができません。

私が年下だからナメられているというより、仕事内容そのものが不満なのだと思います。課長にその旨を相談しても「君に任せているんだよ。自分で考えて責任を持ってやってくれ」と言われるだけです。厄介な仕事を私に押し付けているようで、いい迷惑です。

中途入社でプライドの高い年上の部下をどう扱っていいのかわかりません。私はどうしたらいいのでしょうか?

[相談者:28歳♀/不動産/営業事務/入社5年目]

年上の部下0

回答1:相手を褒めることで、まずは良い人間関係をつくる

役職に就くとやりがいが増えるぶん、大変なことも増えますよね。プライドの高い年上部下には、あれこれ指示を出す前に、褒めちぎる作戦で対応しましょう。

良い人間関係ができていないのに指示を出しても、聞いてくれるわけがありません。そこで、褒めることで「私はあなたのことを認めています。信頼しています」とアピールします。まずは、指示を受け入れてもらえる人間関係を築くのです。

私も似たような経験があります。転職先の10歳年上の先輩社員Bさんとの人間関係に、かなり苦戦しました。

私がBさんに代わって業務を取りまとめるということで入社したのですが、あとから入社した私がいきなり仕切ることが気にくわなかったのでしょう。新しいことを提案しても、片っ端から反対されました。私も私で、Bさんよりも業界の経験が長い自覚と自信があったので、入社後しばらくは対立していました。

ですが、このままだととにかく仕事がやりづらいと思ったので、Bさんに「これまでのやり方を聞かせてもらえますか?参考にしたいです」と申し出ました。そして「そのやり方いいですね!」とか「そこまで気を配っていたなんてさすがですね!」と褒めるようにしてみたのです。

すると、Bさんとの関係はみるみる良くなりました。それからも、「今まで□□だったのを▲▲にしたいんですけど、これまでの経験からどう思いますか?」とか、「Bさんは○○について詳しいですよね?教えてほしいです!」と定期的に頼るようにすると、新たな提案もスムーズに受け入れてもらえるようになったのです。

ですので、「何とか言うことを聞いてもらえないか」と考える前に、褒めちぎる作戦で良好な人間関係を作る努力をしてみてください。褒めどころを探すと今まで気づかなかった長所を発見できて、より相手への理解も深まると思いますよ!

回答2:プライドを傷つけないように個別面談で指導する

昇進、おめでとうございます。年功序列から能力主義、成果主義が当たり前の時代になって、若くして役職に就き、年上の部下を持つ人も多くなりました。今回、中途入社の年上の部下が働かないのは、能力の問題ではなくて気持ちの問題ですから、「個別面談」という形で、会社の方針を伝えつつ、話し合うことが有効です。

私も管理職として、部下を指導することがありますが、管理職は「ダメなものはダメ」と言う姿勢が大切だと思っています。今の私には年上の部下はいませんが、もし年上の部下がいても遠慮はしません。多くの会社は、組織で動いています。与えられた役割の仕事をする際に、年齢は関係ないからです。

中途入社のAさんからすれば、「もっと責任のある仕事をしたい」と不満なのだと思います。ですが、「まずは業務を通じて基礎知識を身につけることが会社の方針であること」「今の部署で評価されなければ次もないこと」をしっかり伝えてください。

ただし、人前で叱ってはいけません。部下を指導する場合、私は部下のプライドを傷つけないように個別面談の場を設けて、1対1で指導するようにしています。腰を据えてお互いの考えを話し合えば、中途社員の経験を活かした活躍の場が見つかるかもしれません。

ということで、年上の部下相手でも「ダメなものはダメ」と言うのが管理職の役割です。一度、個別面談の場を作って話し合ってみてください。

回答3:相手のプライドの高さを利用した仕事の振り方

昇進の喜びもつかの間、言うことを聞かない年上の部下の扱いに悩んでいるようですね。年上の部下を動かすのに効果的なのが、プライドの高さを利用することです!

具体例を挙げると、事務的に「□□の書類作成を15時までにしてください」と仕事の依頼をするより、「急いでいるんですが、○○さんなら□□の書類作成を15時までにできますか?」と、誰でもできる仕事ではないことが伝わるように、あえて名前を入れて、「あなたならできますよね?」と問いかけるのです。

「自分ならもっとできる」という高いプライドをくすぐって、「この作業は難しくて大変なんですが、○○さんの経験を活かしたらうまくできそうですか?」とか、「この書類はミスが出やすいんですが、○○さんだとミスなくできそうですか?」といった仕事の振り方をしてみてください。

そして、頼んだ仕事が意図した仕上がりだったら、「やっぱり○○さんにお願いして良かったです」などの一言があると、次の仕事も振りやすくなります。

これは私が職業訓練校に勤務していたときに使っていたやり方です。年上で人生経験もたくさん積んだ受講生に何かを依頼するときに、とても役立ちました。

「年下の女性はナメられやすい」と実感する毎日で、書類1枚提出するのも期限を守ってもらえない受講生がいたのですが、依頼の仕方ひとつで毎回期限内に提出してもらうことができたのです。

それに、年上であっても部下は部下です。仕事のパフォーマンスが悪ければ、時に強く出ることも大切です。遠慮や引け目があっては相手にナメられるきっかけを作ってしまうので、しっかりとした強い態度で向き合うことが効果を上げるコツです。

というわけで、プライドの高さを利用した仕事の振り方をして、強く出るべきところでは強い態度を示してみてください。部下の性格を変えることはできませんが、部下を動かしやすくなります。

回答4:私が年下上司に反抗していたときに、上司が取った行動

結論から言うと、年上の部下ができる仕事だけを任せて、他の部下よりも距離を置いてマネジメントすることをオススメします。

実は私も若いときはプライドばかりが高くて、たいした仕事ができないのに上司に反抗してばかりでした。そのときの上司は私よりも年下だったのですが、反抗ばかりしていると、不思議と私に対する態度が変わって、叱られたり、衝突することが無くなったのです。

逆に、「さすが仲森さんですね!」と些細なことでも褒められるようになって、私も不要な衝突をすることはなくなりました。

ただ、その上司はチームとして何か新しい取り組みや相談をするときは、全て私以外の他の部下だけと行なって、私と上司の関係は営業数字のみで繋がっているだけの味気ない関係でした。

上司は私との距離を置くことで、ちょうど良い関係を維持しようとしたのです。私もそれに気付いていましたが、当時の私はむしろ「マイペースに仕事ができる」と歓迎しました。

なので、反抗的な年上の部下に対しては、仕事内容に細かい指示出しをせずに結果のみを要求して、些細なことでも「さすが○○さん!」と褒めつつ、他の部下の育成を優先しましょう。

回答5:「承認のサイン」を送って、承認欲求を満たしてあげる

相談内容を拝見しますと、年上の部下であるAさんは自己肯定感(「自分は大切な存在だ」と思える心の状態)が著しく低くなっているのかもしれません。

なぜなら、別業界からの転職で勝手がわからない、中堅社員の年齢なのに新入りの立場、ましてや上司が年下という状況だからです。また、自信喪失している状況だからこそ、「もっと誰かに認められたい」という承認欲求は強くなって、その裏返しとして威嚇的な態度になっているのだと思われます。

そんなAさんに、前向きに仕事を取り組んでもらうためには、上司のあなたがAさんに「承認のサイン」を送るとよいです。承認のサインとは、Aさんのこれまでのキャリア・経験に敬意を払いつつ、仕事観や想いに耳を傾けることです。

例えば、「こんな下仕事できるかよ」という発言に対しても、「そう思われるんですね。Aさんのご経験からどうすればいいと思いますか?」といった具合に、Aさんの経験・想いを引き出し、じっくり聞いてみるのです。

聞いたあとは、「勉強になります」「ご経験を活かして○○をお願いします」などと言えば、Aさんの承認欲求も少しづつ満たされて、言動も変わっていくはずです。

私も年上の人へ協力を依頼する場面が多くありますが、尊敬の気持ちを持って、まずは意見を伺うことを大事にしています。その上で協力への理解を得るように働きかけると、非協力的な人でも態度が変わっていく場面を何度も目にしました。

というわけで、年上の部下が言うことを聞いてくれないときは、部下の承認欲求が満たされるように、これまでの仕事観や想いをじっくり聞いてあげることをおすすめします。

回答6:「傾聴技法」を使って、部下の行動力を高める

昇進した喜ばしい気持ちが、年上の部下のことで悩ましい気持ちになってしまいつらいですね。年上の部下に対しては「傾聴技法」を使って、これまでの経験や現在の気持ちを聞いてみることをおすすめします。なぜなら、私が38歳で事業部長になった時、異動してきた50歳の部下に対して効果があったからです。

その50歳の部下とはあまり面識がなくて、指示をしてもほとんど動いてくれなかったので、これまでの経験や、今思っていることを聞く「傾聴」に時間を割きました

最初は年上の部下が無言で大変でしたが、「教えてほしい」という気持ちをもって根気強く傾聴を続けると、最後のほうは話したくて仕方ないぐらいに多くを語ってくれるようになったのです。

お互いの距離が近づいて、翌日から挨拶や取り組む姿勢が少しずつ変わっていきました。私も年上の部下に合った言い方ができるようになって、気づけば助け合える関係となりました。

中途入社してきた年上の部下への対応は、「あなたのことを知りたい」という気持ちをもって、過去の経験や現在の考えを聞くことが大切なのです。

このように、キャリアカウンセリングでも使用されるこの傾聴技法は、相手の承認欲求を満たして、自ら行動する力を高めることができます。ぜひ傾聴の時間を設けてみてください。

3行まとめ:年上の部下が言うことを聞かないときは?

  • 褒めることで、指示を受け入れてもらえる良好な人間関係を築く
  • プライドをくすぐる頼み方をしたり、傾聴をして承認欲求を満たす
  • 正しく指導するのが管理職の役割。ただし、人前ではなく個別面談で
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