社内ストーカーから逃げるには退職するべき?

社内ストーカーから逃げるには、退職&引っ越しが有効ですが、その前に人事に相談しておかないと後悔するかもしれません。相談事例を元に詳しく解説していきます。

社内ストーカーに遭って退職するべきか悩んでいます。現在、百貨店のアパレル部門で働いているのですが、10歳上の男性上司(既婚)からストーカーに遭っています。

毎日「おはよう!今日も頑張ろうね」と挨拶されます。これは問題ないとして、そこから「いつも可愛くて抱きしめたくなる」とか、「今日の服装キマってたけど、何か予定あるの?」とかエスカレートしていきました。

そして頻繁に「飲みに行こう」と誘われるようになりました。先日も「用事があるので」と断ったのですが、帰りに待ち伏せして「やっぱり今日ダメかな?」と聞いてきました。

先日の私の誕生日には、自宅の郵便受けにプレゼントが入っていてゾッとしました。

上司は私の査定を決める権限があるため、恨みを買うような対応ができません。自宅の住所まで知られてしまっているので、退職して引っ越して逃げるしかないのかな?と追い詰められています。私はどうしたら良いのでしょうか?

[相談者:24歳♀/百貨店/販売職/新卒入社1年目/年収200万円~300万円未満/独身]

社内ストーカー0

回答1:次の3つのポイントを元に、すぐに転職&引っ越しの準備を!

回答者:澤井(元・人材コーディネーター)
転職回数:4回


毎日顔を合わせる上司からのストーカー行為は、精神的にかなり負担ですね。もし私が相談者さまの立場でしたら、今すぐに転職と引っ越しの準備に取りかかります。なぜなら、ストーカー上司の行動がエスカレートして危険な目にあいたくないからです。

ストーカー上司から逃げる際に、私がアドバイスするポイントは次の3つです。

1.退職前提で人事に交渉してみる

私でしたら、このままストーカー上司のいる会社で働きたくないので、他部署への異動願いは出しません。退職する前提で、

  1. 退職理由を会社都合にしてほしいこと
  2. 引っ越し費用を負担してほしいこと

この2点を交渉します。

まず、退職理由を会社都合にしてもらえれば、すぐに失業給付を受け取れるので、退職時点で転職先が決まっていない場合でも収入がゼロになることはありません。

次に、引っ越し費用は全額を会社に負担してほしいところですが、「上限〇〇円」とか「半額会社負担」など、少しでも会社が負担してくれるのならよしとします。

どちらも、話が面倒なことになりそうだったり、すぐに対応してもらえなさそうだったら、粘らずに諦めます。人事とのやり取りが長引いて、ストーカー上司に退職を感づかれたくないからです。

2.周囲にストーカーされている状況を知らせておく

家族や仲のよい友人に今の状況を伝えておきましょう。自分だけではどうにもならなくなったときの助けになります。

3.転職する職種は販売職を避ける

アパレル業界や販売職に思い入れがあって入社したのだろうと思いますが、できれば次の仕事は販売職を避けたいところです。

販売職は不特定多数のお客さんと接するので、うっかりストーカー上司と再会してしまうかもしれません。転職と引っ越しの労力をムダにしないためにも、少しの間、販売職から離れるのがよいと思います。

ということで、社内ストーカーから逃れるには、この3つのポイントを意識しながら、できるだけ早く転職と引っ越しの準備に取りかかることをおすすめします。

回答2:退職の前に外部のコンプライアンス窓口に相談する

回答者:すみおか(元人事マネージャー&キャリアコンサルタント)
転職回数:1回


不快な発言や常識を超えたストーカー行為だけでなくて、上司という立場のパワハラも重なると、怖くてどうすればいいのかわかりませんよね。

社内ストーカーから逃れるために退職を考えているようですが、退職をする前に外部のコンプライアンス窓口(弁護士事務所など)に相談することをおすすめします。

というのも、私が前職の時にも相談者さんと同様に、社歴の長い立場が上の社員から社内ストーカーを受けている人がいました。ストーカー被害を受けている人が人事の担当者に相談したところ、社内で大きな問題にしたくないためか、「意識し過ぎている」と指摘されるだけだったのです。

いつまでもストーカー行為は収まらなかったため、今度はコンプライアンス窓口を設けている外部の弁護士事務所に相談しました。

外部の人から会社に指摘が入ったため、会社も動いてくれて、ストーカー行為をした社員に処罰が下りました。ストーカー行為は止まって、ストーカー行為をした社員の上司にも問題が共有されて、再発防止の措置も取られました。

ということで、退職して引っ越しする負担も大きいので、すぐに退職はしないで、まずは外部機関へ相談をしてみることをおすすめします。

回答3:ストーカーは犯罪!「警察への相談も考えている」と伝えて

回答者:小池(元・職業訓練校職員)
転職回数:2回


社内ストーカーは逃げ場がないですし、毎日職場で顔を合わせるので早く解決したいですよね。でも、退職を急いでも後悔が残る結果になりかねません。まずは今できる対策として、早急な引っ越しと同時に、人事や上司の上司に相談してみてください。

私の友人で、社内の人につきまといをされた人は、相手に「部屋のカーテンの影で何してるのか想像してる」と言われて気持ち悪くなって、誰にも相談せずに退職して実家に帰りました。

でも、その後何年も外出先で、つきまといをした人と似た人を見るたびに、冷や汗が出たり、怯えたりして神経をすり減らしていました。

さらには「むこうは何の制裁も受けずにのほほんと暮らしているのに、私だけこんな目に合うのは許せない」「何か反撃すれば良かった」など、後悔の念を何年も話していました。

それに、ストーカー行為はストーカー規制法で規制されている犯罪です!なので、人事や上司の上司に「警察への相談も考えている」と伝えた上で話を進めたほうが、真剣に取り合ってもらえる可能性が高くなります。

そのためにも、メールや手紙、プレゼントなどがあれば証拠として保存してください。また、不適切な発言が繰り返されるなら、スマホなどで録音しておくと証拠になります。

人事や上司の上司への相談中は苦しいと思いますが、「証拠集めの期間」と割り切って乗り越えてください。そして、上司の転勤や懲戒解雇など、納得のいく処分が下されるように、ご自分の希望もはっきりと伝えてみてください。

それでも、会社に取り合ってもらえずに上司に何のお咎めもなかった場合は、予告通りに証拠を持って警察に相談してみてください。それが「自分に非がない」という表明にもなって、会社を動かします。

まとめると、何もせずに退職すると後悔する可能性があります。すぐにでも引っ越しをして、人事や上司の上司にストーカー規制法を盾に相談してみてください。会社は上司の違法行為を見逃さないはずです。

回答4:会社に相談して事実が認められれば、撃退できるはず

回答者:にひら(人事&キャリアコンサルタント)
転職回数:3回


直属の上司からのストーカー行為とは、大変なストレスを感じていることと思います。今回の場合、明らかに上司に非がありますので、退職を早まらず、まずは人事や相談受付の部門に相談して、対処してもらうことをおすすめします。

というのも、私は数社で人事の仕事をしてきた中で、数件、社内ストーカーの案件を対応したことがあります。その際、今回のように、必要以上のつきまといや、本人が嫌がっている言動を続けている事実が認められた場合は、例外なく異動・減給などの処罰を行なっていました。

ストーカー行為の事実を確認する際は、メールなどの証拠がある場合は提出してもらったり、具体的にどのような言葉や行為をされたのか、詳細に聞き取りしました。

その後、処罰が決まると、たいていの場合、ストーカー行為をしていた社員が会社にいづらくなって、日が立たない間に退職するケースが多かったです。

相談する際は、できれば、今までのストーカー行為はできるだけ細かくメモに残したり、家まで来た痕跡などは写真に残しておいて適切に伝わるようにすると、対応が早く進みやすくなります。

人事、もしくは社内の相談窓口に一刻も早く相談して、安心して働ける環境を取り戻してください。

回答5:信頼できる人に相談しておかないと、退職する場合も危険

回答者:成瀬(人事&産業カウンセラー&キャリアコンサルタント)
転職回数:1回


直属の上司からのストーカー行為に、大変怖い思いをされているのですね。まずは、上司の上司か、人事担当、会社によっては組合や内部通報担当に相談して、退職するかどうかを検討することをおすすめします。

というのも、相談してみて、上司のストーカー行為が明らかになれば、会社側の対応によって、あなたが退職する必要がなくなるかもしれないからです。退職する場合でも、ストーカー上司には伏せて退職を進めることが可能になります。

一方で、周りにストーカーにあっている状況が伝わっていないままだと、退職手続きで上司と関わることが避けられませんし、退職の引き留めにあうことも考えられます。転居先など個人情報が上司に漏れる可能性もあります

私は人事部で勤務していて各種ハラスメントの相談を受けますが、もし今回の相談を受けたら、セクハラの可能性として対応を検討します。企業には労働契約上の義務として職場環境へ配慮する義務がありますので、当然、対応時も相談者の査定などで不利益を被らないように留意します。

もちろん相談者だけでなくて、加害者や第三者へのヒアリングなども行なって事実関係を確認しますので、相談するときには証拠(上司からのメールやプレゼント)があれば準備しておきましょう。

ということで、まずは信頼のおける人に相談してみた上で、退職する必要があるかを今一度検討してみてください。

回答6:最悪の事態になる前に、引っ越し&退職するべき

回答者:仲森(元人事&キャリア・ディベロップメント・アドバイザー
転職回数:7回


結論から言うと、自分の安全を守ることを最優先に、行動することをおすすめします。

本来であれば、外部環境を要因として退職するのは望ましくありませんが、今回のケースは例外です。ストーカー上司の行動がエスカレートして、犯罪に巻き込まれる可能性もあります。そうなる前に早急に防衛策を取りましょう。

平穏な生活を取り戻すためには、引っ越しと退職を同時に行なって、これまでの環境を変えることが最善です。引っ越し費用の負担や退職交渉など、手間はかかりますが、身の危険の恐怖から解放されることを考えれば合理的と言えます。

現在は辞めづらい人のために退職代行のサービスもあるので、労力を少なく辞める手段もあります。

相談者さまは、上司に査定の権限があることを理由に、行動を躊躇しているようですが、そんなことを言ってる場合ではありません。転職アドバイザーの視点から見れば、働く気持ちさえあれば、いまの職場の待遇と同等以上の環境に転職できる可能性は十分あります。

というわけで、最悪の事態になる前に、引っ越しと退職をして身の安全を守ってください。


以上「社内ストーカーから逃げるには退職するべき?」の回答でした。
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