転勤が嫌で転職したいけど、会社には愛着があって躊躇してしまう場合の対処法が知りたい。

今回は「転勤が嫌で転職したいけど、会社に愛着があって躊躇している」という悩みにお答えします。

私はお菓子屋さんで販売員をしています。夫と小学生の娘が1人います。今の会社は勤続15年目になります。入社した当時はまだ規模が小さくて、店舗数も地元や地元近郊に限られていました。ですが、ここ数年で業績がどんどん上がって、今は他県にも店舗を持つようになりました。

これまで、子供がいる人や持ち家の人は、勤務地も優遇されてきたのですが、そうも言っていられない雰囲気になってきています。社内でも「結婚している人だけがズルイ」という空気が、独身社員から感じられます。

いつ異動の辞令が出るか心配ですし、かといって転勤をこのまま免れたままでいることも居心地が悪いです。

夫は転勤のない仕事ですし、子供の転校も避けたいです。自分だけ単身で行くことも現実的ではない選択です(女性って不利だなとつくづく思います)。

そこで、転勤のない会社への転職を考えています。ですが、今の会社にはとても愛着があります。共に働いてきた仲間のことを思うと、転勤を避けるために転職をすることが罪のような気がして、悩んでいます。このような状況に置かれている場合、どうするのが良いでしょうか?

[相談者:32歳♀/菓子製造/店舗営業/入社15年目]

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回答1:「今の会社」と「家族との生活」、諦められないのはどっち?

仕事と家庭、両方大事だからこそ悩みますよね。ですが、すべてをとることは物理的に不可能です。今回のようなケースの場合、「何が一番諦められないかを決める」と決断しやすくなります。

キャリアカウンセラーとしての私の専門は「女性とキャリア」のため、実は今回のような転勤について悩む相談は非常に多いです。本人が転勤で悩むケースもありますし、配偶者の転勤によって仕事をやめるべきか悩むケースもあります。

このような相談を受けたときに私がアドバイスしているのが、「何を一番諦められないのかを決める」ことです。

例えば、配偶者の転勤によって仕事を辞めるかどうかを悩んでいた人には、「配偶者の方と一緒に住む生活、今の仕事、配偶者の方の仕事、一番諦められないのは何ですか?」と聞きました。

すると、その人は、それぞれの生活をイメージした末に、「今の仕事が一番諦められない」と決めて、配偶者が単身赴任をすることになりました。

今回の場合だと、「今の会社」と「家族と暮らすこと」、どちらが諦められないかを考えます。今の会社を選べば、家族と離れる可能性があります。家族と暮らすことを選べば、仕事を変えるか、もしくは居心地の悪さや転勤のリスクを感じながら今の仕事を続ける必要があります。

ということで、「今の会社」と「家族との生活」どちらを選ぶことが後悔がなさそうか、考えてみてください。

回答2:転職の決断はまだ早い。会社の変化や成長を見守って判断を

会社に愛着があるのであれば、転職はおすすめしません。転勤を命じられたときに、転職するか判断するのがベストです。

キャリアアドバイザーとして多くの企業の成長を見守ってきた私から見ると、会社の急成長によって人材の供給が間に合わなくて、既存の社員に負荷がかかってしまうのは、よくある話です。

人事担当と役員が、主にその課題を解決する立場です。会社は役割が分担されているので、自分で人事の問題を解決できる立場でなければ、今から心配しても徒労に終わります。

社内の環境の変化によって、今は居心地の悪さを感じるかもしれませんが、数年経てば人材や制度が追いついて、また環境が変わる見込みは十分あります。成果を出す人材なら、会社を辞めたくなるような転勤を命じられることは考えにくいです。

会社に愛着があること自体がすばらしく、十分な働く理由です。長年の蓄積によって得られる夫婦の絆にも似たようなもので、「転勤があるかもしれない」という理由だけで職場を離れてしまうのは、とてももったいないです。

というわけで、まだ転勤を命じられていない今の時点で転職してしまうのは、勇み足です。会社の変化をしばらく見守ってみてください。

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回答3:転職と残留。それぞれのメリット・デメリットを書き出す

長年勤めている会社の成長に伴い、社内の様子も変わってしまって転勤の可能性にビクビクしているようですね。

悩んでいるうちに月日は経ってしまいます。今一度、自分にとっての優先順位を考えてみてください。シンプルに考えると、「家庭が第一なら転職する」か「仕事が優先なら今の会社に残留する」です。

相談内容からは家庭を優先したいと思っているように感じますが、転職自体に相当な迷いも感じます。厳しいようですが、家庭と会社への愛着を両天秤にかける状態が続いても、転職が遅れてしまうだけです。

優先順位をよく考えて、自分で自分を納得させるために、転職する場合のメリット・デメリットと、会社に残留した場合のメリット・デメリットを書き出してみてください。ひと目でメリット・デメリットがハッキリわかると、頭の中で漠然と考えるよりも考えがまとまりやすくなります

これは私が問題解決力についてのセミナーを受講した際に学んだ方法です。メリット・デメリットを挙げて、なぜそう思うのか、どうしたら解決すると思うかも書き足したり、付箋で張り付けたりすると、より効果的です。

家庭を優先する意思を固められて、会社への愛着を振り切るヒントや、「愛着だけでは今の会社に残ってもメリットが少ない」というポイントを探す手がかりにもなります。

というわけで、転職をするために転職と残留のメリット・デメリットを書き出して、自分の中の優先順位を再確認してみてください。転職するべきかどうかの意志が自然と固まるはずです。

回答4:まずは、会社に地域限定社員の導入を提案してみる

原則論でいえば、就業規則には、「転勤の可能性がある」と定められている場合が多く、転勤を拒むことはできません。その一方で、「転勤したくない」という人が増えていることもあり、会社も柔軟に対応するようになりました。

その対応のひとつが「地域限定社員」です。会社の命令ともなれば海外赴任も辞さないグローバル社員とは違って、転勤をせずに地元で働く社員のことです。グローバル社員と比べて、基本給が低めで、出世も限定的になりますが、地元で働き続けられる安心感から選択する人は増えています。

お勤めの会社は、ここ数年で業績が拡大したこともあり、充分な人事制度が整備されていないと思われます。まだ転勤の辞令が下ったわけではないですし、現時点では転職ではなくて、今の会社に地域限定社員の導入を提案してはいかがでしょうか?

地域限定社員が導入されれば、「いつ転勤になるか」という不安から解放されますし、既婚者だけが優遇されている空気も緩和されます。なにより愛着のある会社で、安心して働き続けることができるのです。

会社側も転勤が可能か否かの社員をはっきりできますし、辞令を出した瞬間、「転勤するなら辞めます」と言われるのを避けられるで、検討する価値はあるはずです。

転勤を伴う異動は、会社側も慎重に決断するので、通常であれば、小学生のお子さんがいる、しかも女性社員に対して、転勤を伴う異動が出るとは考えにくいです。仮に異動が出たとしても、自宅から通える範囲で留めると思われます。

ですが、いつ転勤になるかと不安のなかで仕事を続けるのも、精神的に落ち着かない気持ちもわかります。なので、一度、会社に地域限定社員の導入を相談してみることをおすすめします。

回答5:家庭を優先したいなら迷わず転職を。私が転職を決めた理由

今の状況を伺う限り、選択肢はひとつです。転勤が自分にとって現実的ではないのでしたら、転職をするしかありません。

私も主人が転勤族で子供がいるので、相談者さまの状況はとても共感できます。女性って不利ですよね。とはいえ、決断をしなくてはいけません。居心地の悪さを感じながらも、転勤の辞令が出ないことを願って今の職場で働き続けるのか、転職をするのか、この二者択一です。

私も似たような経験があります。結婚を決めたときに働いていた会社は、転勤の可能性がありました。残業も多くて、仕事と家事を両立させるには不向きな職場環境でした。

ですが、立ち上げから在籍していた部署で色々なことを試行錯誤しながらやってきたので、これからさらに成長していく過程を一緒に作っていきたい気持ちもありました。このまま働き続けるか、転職をするか。私の出した結論は、「転職をする」でした。

転職を決めた一番大きな理由は、主人も転勤の可能性がある会社で働いていたので、結婚後に二人とも辞令が出て別居婚をしたくないからでした。もともと仕事は好きだったので辞めたくない気持ちも強かったのですが、私の人生で優先すべきことを考えた結果、選んだのは家庭だったのです

仕事は、結婚後、他にやりたいことが出てくるかもしれないし、子どもができるとライフスタイルも変わるだろうから、ライフステージに応じて選択していけばいいかな、と考え方を変えることにしました。

ですので、今一度、優先したいことは何なのか考えてみてください。会社への愛着もわかりますし、職場の仲間への罪悪感もわかりますが、会社よりも仲間よりも優先すべきなのは自分の人生です。現状にこだわりすぎずに、もっとシンプルに考えると結論を出しやすくなりますよ。

回答6:良い人事制度がないか、まずは会社に相談してみて

転勤ができないことを卑下することはありません。今のまま、転勤リスクを抱えて仕事を続けていても不安が募るばかりです。まずは上司や人事に転勤ができないことを、きちんと伝えておきましょう。伝えておくことで、転勤のない人事制度や配慮をしてくれるかもしれません。

私も産後復帰したあとに、転勤は難しいと思って、転勤ができないことを人事に伝えました。そして、総合職であっても、転勤のない「地域限定社員制度」が社内にあることを知って、今も利用しています

私の場合は、遠方転勤リスクがないかわりに、給与が少し低くなりました。ですが、同じ場所で長く働くことができますし、子供や家族の介護の問題があっても仕事と両立することができます。「転勤がない」という安心感は、ライフプランを考える上で重要だと感じました。

人材難の中で、地域限定社員制度は、ライフスタイルの変化を理由に退職してしまう従業員を引き留めることができるので、良い制度だと思います。最近は、年齢男女問わず、地域限定社員を自ら選択して転換する同僚も増えています。

相談者さんの会社に地域限定勤務の制度があるかどうかはわかりませんが、会社は安心して長く仕事を続けてもらいたいと思っているはずです。なので、まずは、転勤ができないことを上司や人事に相談して、そのあとで現在の仕事を続けるのか、それとも転職をするかを考えてみてください。

3行まとめ:転勤が嫌で転職したいけど、会社に愛着があって迷うときは?

  • 自分の人生と仕事のどちらを優先するか、メリット・デメリットを書き出して判断
  • 転勤できないことを会社に相談したり、地域限定社員の導入を提案する
  • 転職するかどうかは転勤の辞令が出てから検討する
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