今回は「やる仕事がなくて暇すぎる」という悩みにお答えします。
新築マンションのモデルルームで働いています。営業事務は私1人で、他は営業さんが4人という体制です。売れているマンションなら仕事もたくさん入るのでしょうが、あまり人気のないマンションなので、やる仕事がなくて、とにかく暇です。
営業さんはチラシ配りに行ったり、お客さんの呼び込みをしたりとそれなりにやることがあります。ですが、事務の私の主な仕事は、事務所に1人残されての電話番です。電話は1日に1度も鳴らない日もあります。
電話番以外にやることと言ったら、営業さんが配るチラシの誤字チェックくらいです。そんなのすぐに終わってしまうので、あとは「市場調査」と称して適当に他のマンションのホームページを見ながらネットサーフィンをして1日が終わります。こんな日が毎日続いています。
楽と言えば楽ですが、時間を無駄に過ごしている気がして「私は毎日何をやっているのだろう・・・」「今の仕事を続けて大丈夫なのかな・・・」と不安になります。暇すぎる職場での有意義な働き方を教えてほしいです。
[相談者:27歳女性/不動産/営業事務/入社5年目]
回答1:営業アシスタント業務に立候補する
元・人材コーディネーターの澤井です。暇すぎる職場環境に戸惑っていらっしゃるようですね。業種は違いますが、私も同じような経験があります。何もやることがないのに、いなくてはならない苦痛は、よくわかります。日々時間を持て余しているのでしたら、ぜひ自分で仕事を見つけてみてください。
上司や営業さんに「時間に余裕があるので何か手伝えることはありませんか?」と聞いてみましょう。営業さんは、できるだけ外勤に時間を割きたいでしょうから、フォローしてくれると助かる内勤業務があるはずです。もしかすると営業さんも頼みたい仕事があるけれど、言い出しにくくて頼めないのかもしれません。
そのほかにも、よく使うフォーマットの見直しや、業務フローの見直しを提案するのもよいですね。フォーマットを見直しながら、WordやExcelの勉強をするとパソコンスキルがアップして一石二鳥です。これは私もよくやっていました。
また、業務フローの見直しを提案すると、「積極的に仕事に関わってくれている」と印象がアップするはずです。結果的に、新しい仕事を任せてもらえるようになるかもしれません。
私が一番おすすめするのは、既存顧客のフォローなど、営業アシスタント業務に立候補することです。今まで事務だけをしていたところから営業にも関わることで、新たな発見があって仕事の楽しさが増すと思います。
「あまり人気のないマンション」とのことですが、自身の立場を活かした若い女性の目線で、「もっとこうしたら集客できるのではないでしょうか?」と提案できるようになると、グンと仕事の幅が広がりますよ!
このように、与えられた仕事をこなすだけではなくて、自分から積極的に仕事に関わっていく姿勢を見せてみてください。
回答2:まずは上司に相談。改善しないなら転職も考える
人事&キャリアコンサルタント・にひらです。仕事は多くありすぎても困りますが、少なすぎるのも不安ですよね。すでに自分なりにできることはされているようですので、以下のアクションをおすすめします。
1.上長に相談する
まずは、今の環境で状況を改善するアクションです。上長に、
今、自分なりにチラシの誤字チェックや市場調査をしているのですが、それでも時間が余ってしまいます。もっと貢献したいので他にも仕事はありませんか?
と、異動も含めて相談してみるのです。
自分だけで考えていると、なかなか他にやるべきことが思いつかないかもしれませんが、上長に相談してみると、「こんなこともやってみてほしい」と新たな視点でアドバイスがもらえることがあります。
また、配置転換で、もう少しやることの多い場所に異動させてくれるかもしれません。ですので、まずは上長に今の状況を相談してみてください。
2.転職を視野に入れる
上長に相談してみたにも関わらず、「そのままで十分だよ」などと今の環境が全く変わらない場合は、転職も視野に入れてみてください。
ご自身でも書いているとおり、今の環境はスキルや経験を伸ばすのには適していない環境です。
もちろん、「このままでいい」と思うのであればそれでも良いのですが、もし良くないと感じているのであれば、転職に向けて動くのも選択肢の1つです。仕事が終わったら早く帰れる環境だと思うので、興味のある分野の資格の勉強をしてみる、転職サイトで興味の持てる仕事を検索してみるとよいです。
というわけで、まずは今の会社で仕事を振ってもらえるように相談して、それでも変わらなければ転職を検討して、成長できる環境を探してみてください。
回答3:業務にプラスαを添えて、代わりのいない「自分」の仕事を創る
臨床心理士の佐藤です。今の仕事が楽なのをわかっていながら、悩んでしまうのは欲求が適切に満たされていないからだと思います。
マズローというアメリカの心理学者は、人間の欲求を次の1~5に分類しました。
1.自己実現欲求:「自分の能力や可能性を発揮したい」という欲求
2.承認欲求:「他者から認められたい」という欲求
3.社会的欲求:「社会の中で所属する場所や仲間を得たい」という欲求
4.安全欲求:安心や安全が守られた環境への欲求
5.生理的欲求:生命を維持する生理的反応を満たすための欲求
そして、マズローは人間の欲求は、5の「生理的欲求」が満たされると4の「安全欲求」、「安全欲求」が満たされると3の「社会的欲求」・・・と段階を踏んで上位の段階へ進むことを提唱しました。
相談内容を見ると、5、4、3の欲求は満たされているようです。ですが、2の「承認欲求」や1の「自己実現欲求」が満たされていないため、自分が無意義だという感覚や将来への不安感を抱くのではないかと思います。
確かに、電話番と誤字チェックだけでは「承認されている」「自分の能力を発揮している」という実感を得るのは難しいですね。けれど、逆に考えれば、「『自分の能力を発揮している』という感覚を持てるように働くことが、有意義な働き方に繋がる」ということです。
過去の経験で「承認されている」「自分の能力を発揮している」と感じた場面があれば、「どんなときか」「どうしてそう感じたのか」を突き詰めて考えてみましょう。その答えが今の仕事に生かせるかもしれません。
例えば、思いついたのが「人を笑顔にしたとき」でしたら、電話の向こうのお客様や営業さんなど、自分と関わる人たちを笑顔にする方法を全力で考えてもいいですね。
指示された仕事に簡単にでもプラスαを添えられれば、ただの「営業事務」ではなくて、「自分」の仕事になります。
仕事をこなすだけではいくらでも代わりがいます。でも、持っている能力を発揮して仕事を「創る」ことで、代わりのいない「自分」の仕事を認めてもらえるようにすれば、きっと有意義な時間を過ごせるはずです。
回答4:仕事は、「作り出す」こともできる!その具体的な方法
人事、労務、法務責任者・まつしたです。「仕事は楽なほうがいいじゃん」と考えがちにある中、「暇な時間を過ごしたくない」という考えは、意欲が高い証拠です。とてもよい心掛けだと思います。
「仕事」は、大きくふたつ、「与えられる仕事」と「自分から作り出す仕事」に分けられます。まず、「与えられる仕事」とは、今指示を受けてしている仕事です。電話番とチラシの誤字チェックがそれに当たります。
もうひとつの「自分から作り出す仕事」とは、指示されていなくても自ら必要性を感じて取り組む仕事です。
例えば、モデルルームで考えてみましょう。モデルルームは、いわばマンション販売の重要な武器ですので、清潔であることが基本です。清掃をすることでモデルルームに人の気配が出るので、お客様が入りやすくなる効果があります。なので、
- 隅々までホコリを取る
- 窓ガラスの手垢をふき取る
- パンフレットやチラシの補充や整頓
など、細部まで目を向けてみてください。そのほかにも、どの会社でも書類はたまりやすいものですが、整理すべき書類はないでしょうか?
以上のような視点で職場を見渡してみてください。きっとやるべき仕事が見つかるはずです。そして、仕事を見つけたら、必ず上司に許可を取ってください。「手があまっているので、この仕事もやりたいのですがよろしいですか?」と聞きましょう。
上司に許可を取るのは、自分勝手にやっていると思われないためと、仕事への意欲をアピールするためです。上司から「それなら、○○の仕事があるんだが、やってみるか」と言われればラッキーです。いろいろな仕事を依頼されるきっかけとなります。
もし、「そんなのいいよ。今の仕事をやっていれば十分だから」とあっさり却下されたら、今の職場に見切りをつけたほうがいいかもしれません。
というのも、ほとんど鳴らない電話のために社員を一人張りつけられるほど、ビジネスは甘くありません。よほど会社に余裕があるか、管理が緩いかのどちらかです。このような職場で有意義な働き方をするのはかなり難しいと言えます。
まだ年齢も若くて仕事への意欲も高いようなので、いろいろな仕事にチャレンジすべきです。ネットサーフィンで1日を終えてしまうのは、とてももったいないです。ぜひ、自分から仕事を見つける姿勢を身につけて、仕事がみつからなければ転職も視野に入れて、キャリアアップを目指してほしいです。
回答5:資料作りをしながらWord・Excelを習得する
元・職業訓練校職員の小池です。時間を持て余す仕事は時間がたつのも遅く感じるし、何より「これでいいのかな・・・」という不安にかられてしまってつらいですよね。
業界は違いますが、私も営業事務をやっていた経験があります。営業事務は営業のサポートや電話対応はもちろんですが、他にも仕事はたくさん作れる職種です!
まずは、売れている物件と自社物件の比較を資料にしたり、自社物件の良いところをリストアップしたりと、営業の手助けになるような資料作りをしてみてください。そして、グラフや表・テーブルの作成、画像の貼り付けなどのExcelの操作を資料作成をしながら勉強するのです。
Excelが使えるようになると、営業資料の作成ができるようになります。そうなれば、営業から振られる仕事の幅も増えますし、もし増えなくても自分から「資料作成は私がやります!」と言えるようになります。
さらに、Wordも勉強してみましょう!契約書や約款、覚書のような書類はWordで作成されていることがほとんどです。Wordが使えるようになれば、このような書類の作成や修正もできるようになります。
Word・Excelが使えるようになると、転職したいと思ったときにアピールすることができるし、選択の幅も広がります。
というわけで、勤務時間を有意義にするため、さらには自分のためにも、資料を作りながらWord・Excelを習得して、できる仕事を増やしてみてください。
回答6:手伝える仕事がないか周囲に聞く。なくても探す!
人材サービス業務歴20年以上の勝山です。暇な日や、やることがない日が続くと、気が滅入りますよね。
私は人材コーディネータとして、いろんな人の職場の話を聞くのですが、「仕事が暇すぎる」という悩みは結構多いんです。「給料をもらっているのに、時間を無駄に過ごしている」という罪悪感で不安になる気持ちは理解できます。
職場では、客観的に自分の立ち位置を分析して、問題意識を持って取り組む力も必要です。つまり、時間を持て余したときは、営業事務である自分にできる仕事を探しましょう!
まずは、上司や周りの営業さんに「何か手伝うことはありますか?」と聞いてみてください。営業事務として仕事を任されているわけですから、電話番以外にもお手伝いできることがあるかもしれません。
聞いても仕事がなければ、自分にできる仕事を考えてください。他のマンションのホームページをなんとなく見るだけではなくて、それを「市場データ」としてまとめてみるのも手です。
「市場調査資料」は営業さんの参考になると思いますし、データ集計のために、パソコンのソフト(Excel、Word、Powerpointなど)を使うことで、ITスキルの向上にもつながって、一石二鳥です。
また、たとえ雑用であっても、できることはたくさんあるはずです。デスク周りの整理整頓や、共有で使う備品や資料、営業パンフレットなどの整理も良いです。
このように、自分に手伝えることがないか聞いてみたり、「職場をもっとよくしよう」と考えることで、暇で無駄な時間が減って、有意義な時間になるはずですよ!
回答7:暇な時間で自分を見つめなおして、働き方を決断する
元人事&キャリア・ディベロップメント・アドバイザーの仲森です。27歳となると、社会人としても差が出始める頃です。新卒で入社した会社で順調にキャリアを積んでいれば、ある程度責任のある仕事を任されるようになったり、新人の教育係になったり、異動によって新しい仕事に挑戦する機会を与えられたりするタイミングです。
また、新卒で入社した職場に見切りをつけて、転職や独立によって新しい挑戦を始める人も少なくありません。転職や独立した人が必ずしも「幸せで順風満帆」と言うつもりはありませんが、平等に与えられている日々の時間を、より濃い密度で過ごした積み重ねの結果が、活躍や決断をもたらしているのは明らかです。
暇すぎる今の職場で、有意義な働き方(時間の使い方)があるとすれば、「自分の望む未来や幸せ、なりたい自分」をとことん考えて、「現在の職場にいることが最善か否か」結論を出してみることをおすすめします。
- なぜ、今の職場に入社したのか?
- 当時、期待していたことや望む未来はなんだったのか?
- 入社した当時と、今の自分にどんな変化があるのか?
- 現在の価値観や環境の変化はあるか?
を業務の合間に、改めて考えてみてください。
現在の職場では電話番や営業マンのフォローなど、何かと突発的にやるべきことも発生する環境だと思います。なので、残念ながら、何か腰を据えて新しいことを取り組めるわけでもないでしょう。
ですが、モヤモヤしたまま日々を過ごすのは不健全です。なぜなら、モヤモヤしているのは決断ができていない証拠だからです。覚悟を持って今後の働き方や生き方を決断するために、自分自身を見つめなおす時間として、暇な時間を使うことをおすすめします。
「現状を脱するために転職などによって環境を変える」または、「今の職場が最善と判断して現状に残る」など、自分が納得感を得られる決断をしてください。そのために考える時間は、今なら十分あるはずです。
3行まとめ:仕事が暇すぎるときの対処法
- 周囲に手伝える仕事がないか聞く&自分で探して「仕事を作る」
- 業務に役立つ資料作りをしながら、ITスキルを習得する(一石二鳥!)
- 働き方を見つめなおして、転職も考える
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