「会社に行くのが嫌でずる休みをしてしまった。違う会社に転職したほうがいいの?」「でも、転職先でもまたズル休みしてしまうんじゃ……」と、転職を迷っていませんか?会社をずる休みをしてしまう状況について、次のような相談をいただきました。
相談
マンション販売の仕事がしんどくてズル休みをしてしまいました。
お客様からは「高すぎる。もっと値下げできないの?」「もっと条件の良いマンションを紹介してくれ」と言われて、上司からは「売れないのはおまえが悪い」「売れるまで電話をかけろ」と、常に誰かから怒られている毎日です。
毎日の朝礼では、全員の前で昨日の実績と今後の見込みを話すのですが、そこでも上司から「まったく。何日間仕事しないつもりだ?」などと野次られて、晒し者にされます。
そんな毎日に耐えられず、ついに先日、会社に行くのが嫌になってずる休みしてしまいました。
「朝から吐き気がひどくて」と、嘘の体調不良を伝える電話をしましたが、そのときも「そんなこと言ってる場合か?今月の数字はどうするんだ?気持ちがたるんでる!」と上司に怒られました。
ずる休みした日は罪悪感もありましたが、1日中転職サイトを眺めていました。そのとき思ったのは「世の中にはいくらでも会社はある」ということです。
ずる休みするほど嫌なら、今の会社で無理して働く必要もないのではと思いました。でも、上司の言うとおり、私が悪いだけなら、どこに転職しても同じことだと思います。
このような状況で転職活動を始める意味はあるでしょうか?心が病む前に答えを出したいです。
(27歳♂/不動産業界/マンション販売/中途入社2年目/年収300万円~400万円未満/独身)
そこで、このページでは、人事・キャリア相談のプロ5名が次のような立場で、ずる休みをしてしまったあとに取るべき行動について、見解を述べていきます。
この回答をすべて読めば、ずる休みをするほど会社が嫌で転職した場合のメリットも、デメリットも理解できて、最良の決断ができるようになるでしょう。
別の業界に転職した場合→会社や業界を変えるだけで、仕事は楽しくなる
回答者:澤井(元・人材コーディネーター)
転職回数:4回
上司のパワハラが原因で精神的に参ってしまっているようですね。
相談内容を拝見して、精神的にバランスを崩してしまうのも時間の問題だと思いました。うつ病のような精神病になる前に転職することをおすすめします。仕事は健康な身体があってこそできるものだからです。
私は仕事をするうえで「健康」より大事なことはないと思っています。どんなにやりがいのある仕事や満足いく収入があったとしても、働けなくなってしまっては意味がありません。
私の友人の旦那さんも不動産業界で営業をしていました。やはり、相談者さまと同じようにパワハラ三昧の毎日だったそうです。
朝礼では全員の前でノルマが達成できていないことを怒られて、営業車で二人きりになれば「辞めたくても奥さんが専業主婦だから辞められないんだろ?仕事ができなくて怒られてばっかりだけど仕方がないな(笑)」とまで言われたそうです。
入社後すぐに「パワハラがひどい……」と感じていたそうですが、家庭もあるので友人(奥さん)には言わずに我慢していたそうです。
ですが、出勤前に吐き気が止まらなくなったのをきっかけに転職を決意しました。その後、別の業界の営業職に転職したのですが、今では「生き生きと楽しそうに働いている」とのことでした。しっかりと成果も上げているそうです。
相談者さまはまだお若いのですから、そんなブラック企業に固執して体調を崩してしまうなんてもったいないです。ずる休みをしたくなったのは限界がきている体からのサインだと思って、早めに転職に踏み切ってください。
面接官の視点→転職活動を始める前に、現職の課題改善に取り組むべき
回答者:すみおか(元人事マネージャー&キャリアコンサルタント)
転職回数:1回
仕事がうまくいかず、上司からもパワハラに近いプレッシャーを受けて、ずる休みをしたくなる気持ちはとてもわかります。
「ずる休みをするぐらいに仕事が嫌」という理由で転職活動を始めるか悩まれていますが、転職活動をする前に、今の職場での課題に向き合うことをおすすめします。
なぜなら、直面している課題と向き合わずに転職を選んでしまうと、転職活動の選考で苦労をするからです。
私が人事マネージャーをしていたとき、中途採用の面接では、職務経歴の中で「問題意識を持って主体的に行動したのか」という部分を重視していました。
過去の経験や知識も大切ですが、それ以上に仕事への取り組み姿勢は、「入社後に成長していく人材なのか」ということを知れるからです。
面接時には、毎回「問題意識を持って主体的に行動したのか」を重視して確認をしていましたし、他社の人事担当者と話をしても選考で同じ視点を持っていました。仕事上の課題に取り組まずに転職活動をすると、選考での評価が低くなってしまうのです。
ということで、ずる休みをしたくなるほど仕事が嫌でも、転職活動を始める前に現職の課題の改善に取り組むことをおすすめします。
メンタルヘルス担当の見解→これ以上悪化しないうちに、早めに転職する
回答者:にひら(人事&キャリアコンサルタント)
転職回数:3回
「ずる休みをするほど会社に行きたくない」というのは、とても苦しい状況だと思います。そのような状態なら、本格的に体調を崩す前に転職することをおすすめします。
私は昔いた会社で、メンタルヘルス(精神面の健康)の悪化が原因で、休職している社員のサポートをしていたことがあります。この人たちが休職前によくしていたのが、ずる休みでした。
「会社にどうしても行きたくない。でも、会社をやめて仕事がなくなることも困るので、休んでしまおう」と、ずる休みをしてしまうのです。
ずる休みの回数が多くなっていくと、罪悪感が溜まって、本格的にメンタルヘルスが悪くなってしまう、という状況でした。そこからうつの状態になってしまうと、通常の職業生活に戻れなくなってしまう人が多かったです。
つまり、「ずる休みをしなけばいけないほど会社に行くのが嫌」という状態は、かなり深刻な状態なのです。一度うつ病にまでなってしまうと、今の会社に勤めるだけでなくて、転職するのも難しくなってしまいます。
よって、精神的なストレスがひどくなってしまう前に、転職活動をしてリセットすることをおすすめします。
別の業界に転職した経験→新しい職場で、自分も変えていけるなら転職
回答者:仲森(元人事&キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)
転職回数:7回
結論から言うと、転職活動をおすすめします。現在の働く環境は上司からパワハラまがい言動が横行していて、よろしくありません。ずる休みしたくなる気持ちもわかります。
ですが、転職で変えられるのは職場環境だけです。自分の課題は自分で克服する必要があります。
私自身も過去に、職場環境を変えるために転職をしたことがあります。私が働いていた人材エージェント業界は、長時間働いてたくさんの転職候補者と面談をするだけで、実績として評価してくれる時代がありました。
そのため、行動量に頼るスタイルで私は成果を出していました。ですが、数年も経つと競合エージェントの数もどんどん増えて、業界や職種の知識、提案力がないと実績が出せない業界になりました。
行動量で成果を出してきた私は、現状を受け入れることができませんでした。そこで、「競合の少ないニッチな業界の人材エージェントなら、これまでのやり方でも通用する」と考えて、転職をしたのです。
ところが、転職後の人材エージェントでも、すぐに今までのやり方では通じなくなったのです。「自分が変わらないと、どこに転職しても同じだな」と実感しました。
というわけで、転職したことに満足しないで、転職後も自分を高めていけるかどうかが重要です。これを理解して転職すれば、もっと良い職場で活躍できる可能性は十分にあります。
体調を崩した体験→ストレスで体調を崩す前に転職活動を始める
回答者:小池(元・職業訓練校職員)
転職回数:2回
会社をずる休みするほど、顧客からも上司からも怒られる毎日に疲れてしまったようですね。ご自分でも、このままでは精神的に良くないと感じているようですし、今の職場環境は異常です。早めに転職活動をスタートしてください。
ずる休みとは言え、体調不良を訴えて休んだ部下にまで電話で叱責したり、他の社員の前で野次られたりするのは明らかなパワハラです。なのに、そんな状況を「明らかにおかしい」と声を上げられないのは、すでに心が疲れてしまっているからです。
このまま今の職場にいてはストレスで、早かれ遅かれ体調を崩してしまうと思います。
というのも、「仕事が忙しすぎて職場と家の往復の日々でつらい。転職するべき?」でもお伝えしましたが、私はストレスや忙しさで体を壊したことがあります。
溜まったストレスを放置してしまったことで、自律神経の不調が原因の低体温や、低血圧で3年も悩まされました。10年近く経った今も当時の影響を感じることも多くて、ストレスは怖いと実感しています。
ご自分でも、転職サイトを見て「世の中にはいくらでも会社はある」と感じられたように、これまでの経験を活かして働ける場はたくさんあります。心とカラダが元気なうちに転職活動をスタートすれば、納得のいく転職ができるはずです。
というわけで、会社をずる休みをするほどストレスが溜まった状態ではいずれ体を壊してしまいます。ストレスで体調を崩す前に、早めに転職をしてください。疲れた心のSOSを見逃さないでください。
以上「ずる休みするほど会社に行くのが嫌。転職すれば状況は変わる?」の回答でした。
あなたは、これらの回答を読んでどう思いましたか?記事下にあるコメント欄にてご意見をお聞かせください。
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