昇給がなくて仕事へのモチベーションが低下。やりがいを求めて転職するべき?

「昇給がない仕事だからモチベーションが保てない」「評価が給料に反映されない仕事にやりがいを感じられない」と悩んでいませんか?同じような相談をいただいたので、下の相談内容をご覧ください。

相談

新卒で大手の都市銀行で事務員として働いていますが、一般職なので昇給がありません。

仕事内容としては、部長の秘書をやったり、総合職のアシスタントのような仕事をしています。総合職のように自分で成績を上げて評価を受けるような仕事ではないため、いまいちやる気が起きません。

どんなに頑張ってもお給料が変わらないことが、こんなにモチベーションに影響するとは、入行するまで思ってもいませんでした。

友人や身内からは、「一流企業だし、安定している仕事なんだからいいじゃない」とよく言われますが、自分の中ではやりがいが感じられないため、毎日の仕事がつまらないです。総合職の同期との給料格差も感じてしまって、劣等感も出てきました。

これから結婚や出産のことを考えると、今の会社ではしっかり育児休暇も取れるし、有給も普通に取れるので、労働環境は良いと思います。でも、もっと評価に反映される仕事をしたい気持ちも強くて、転職するべきか悩んでいます。

今の安定した会社や恵まれた環境を捨ててまで、仕事にやりがいを求めて転職するという選択はどう思いますか?

[25歳♀/メガバンク/事務職/新卒入社3年目/年収300万円~400万円未満/独身]

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実は、「昇給のある仕事ならやりがいを感じるはず」と思って転職をすると、転職に失敗する原因になりかねません。

そこで、このページでは、人事・キャリア相談のプロ5名が、仕事相談の経験や自身の職種変更の体験を活かして、昇給と仕事のやりがいについて、次のような内容で見解を述べていきます。

この回答をすべて読めば、昇給を求めて安易に転職活動を開始して、採用の選考が通らなくて苦戦したり、転職後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しなくて済むようになります。

回答1:昇給以外の「やりたいこと」を明確にして

回答者:澤井(元・人材コーディネーター)
転職回数:4回


「昇給のある仕事」を求めて転職をする選択はアリだと思います。ですが、もっと自己分析を行なってから転職活動をすることをおすすめします。

なぜなら、ご相談内容からは転職したい理由が漠然としていて、昇給以外に「何がしたいのか」「どんなことにやりがいを感じるのか」が全く伝わってこないからです。

私が派遣会社で人材コーディネーターとして派遣登録面談をしていたときにも、同じように「もっとやりがいのある仕事がしたい」と言って応募してくる人がたくさんいました。この場合、応募者の志望動機には次の2つのパターンに分かれます。

パターン1:やりたいことが明確

「前職で○○の業務に関わる機会があって、興味を持ちました。もっと深く○○に関わる仕事がしたいと思い志望しました。」

応募者にとって「やりたいこと」が何なのかが明確になっています。そして、「やりたいこと」と「なぜこの求人に応募したのか」が採用担当者に伝わりやすいですね。派遣会社としては、ぜひ派遣先に紹介したい人材です。

パターン2:何をやりたいのかわからない

「前職の事務経験を活かして、どんなことでもチャレンジしてみたいと思います!」

ポジティブ発言に聞こえますが、「自分ができること」「自分がしたいこと」が全くわかっていないです。

採用担当者は、「・・・で、あなたはウチの会社で何がやりたいの?」となってしまいます。この場合は、派遣登録面談の段階で「もっと自己分析をしましょう」とお伝えします。

このまま転職活動をすると「パターン2」になってしまう可能性が高いです。ですので、転職の目的を明確にするためにも、まずは自己分析を行なってみてください。一人でやるのが難しいようでしたら、転職エージェントを利用するのもオススメですよ。

回答2:昇給の有無だけで判断しないで、優先したい条件を整理してみる

回答者:すみおか(元人事マネージャー&キャリアコンサルタント)
転職回数:1回


成果が評価されて給与に反映される仕事に転職するべきか、安心して働ける今の会社にとどまるべきか、どちらを選択していくか悩ましいですね。

この場合は、昇給の有無だけではなくて、これから働いていく上で優先したい条件をもっと挙げてみることをおすすめします。なぜなら、優先したい条件が整理されることで、今の会社に残るか、転職をするかを自信を持って選択することができるからです。

これは、第二新卒での転職を考えていた人のキャリア支援事例によるものです。この相談者さまは、大学3年生の就活当時、「周囲の人が知っている会社」「面白そうな会社」という漠然とした基準で会社を絞り込んでいました。

人柄が良くて、優秀でもあったので、希望している会社へ無事に就職できましたが、働き始めて間もなく、働き方に疑問を感じるようになりました。どんどんモチベーションが下がって、転職を考えるようになりました。

ですが、希望の会社の基準が漠然としていたため、転職への一歩を踏み出せずにいたのです。そこで、これから働く上で、どのようなことを優先して働きたいかを深堀りしてみるようにアドバイスしました。

具体的には、

  • 会社の安定性
  • 資格を活かせる仕事
  • 残業が少なくて、休日が多い
  • 通勤条件が良い
  • やる気と実力があれば出世できる
  • 経営者が魅力的

・・・など、思いつく限りの希望条件を挙げてもらって、順位付けをして、上位5つの条件を基準に会社選びをしていきました。

その結果、導き出された会社の条件は、実は今いる会社でも実現できることがわかったのです。「それなら今の会社で頑張ろう」と、モチベーションを取り戻すことができて、「転職はしない」という選択になりました。

このように、「昇給があるかどうか」だけで考えないで、これから働いていく上で優先したい条件を一度整理してみることをおすすめします。

回答3:仕事にやりがいだけを求めて転職すると失敗する

回答者:にひら(人事&キャリアコンサルタント)
転職回数:3回


昇給のない仕事をしてみたことで、やりがいを感じないことに気がついたのですね。実際に働いてみて初めて、自分のモチベーションに繋がっている部分に気がつくことはよくあります。

ですが、転職はすべての希望を叶えてくれるわけではありません。自分にとって重要なものをはっきりさせてから、転職活動を始めることをおすすめします。

私はキャリアカウンセラーとして、転職を考える人たちの相談に乗っているのですが、その中で「今の職場ではやりがいが感じられないので、もっとやりがいのある職場にいきたい」という人をたくさん見てきました。

ですが、やりがいだけで転職すると、転職に失敗する人が出てきます。転職の成功と失敗を分けるのは、「仕事をする上で自分にとって本当に重要なもの」をわかっているかどうかです。

以前、「私は不動産に関わりたいんです!不動産に関わる仕事なら絶対にやりがいを感じられます!」と言って、転職の相談に来た人がいました。

私は「やりがい以外に、お休みや残業などの希望はありませんか?」と聞いたのですが、「関係ありません。やりがいを感じられることが一番大切です!」と、他の要素はほとんど検討しないで転職を決めました。

ところが、転職して2ヶ月ほど経ったころ、再び転職相談の連絡が入ったのです。話を聞いてみると、「土日休みでないのって、こんなにつらいんですね・・・友人とも恋人とも予定があわなくて、何もやる気が出ないんです。土日休みの仕事に転職したいです」とのことでした。

このように、仕事のやりがい以外に、自分にとって「ここだけはどうしてもはずせない」という労働条件がわかっていないと、無駄に転職を重ねることになるのです。

なので、転職活動を始める前に、ぜひ「仕事をする上で重要なものが何なのか」をはっきりさせておくことをおすすめします。

回答4:どんな仕事内容ならモチベーションが満たせるのかを言語化する

回答者:仲森(元人事&キャリア・ディベロップメント・アドバイザー
転職回数:7回


仕事にやりがいを求めて転職をする際には、やりがい以外のことは次の職場に求めない覚悟が必要です。大手企業の安定を捨てる覚悟がないなら、転職はおすすめしません。

これが相談の答えですが、そもそも、あなた自身にとっての「仕事のやりがいは何なのか」相談内容から伝わってきませんでした。

たとえば、仕事の成果が給与に反映されやすい職種の典型は、営業職です。成果が出ればやりがいも感じやすいですが、成果が出なければ昇給なしでむしろつらい職種です。

一方で、事務職でも人事や経理といった専門職なら仕事の幅も広いという意味で、一般事務職よりもやりがいも感じられますし、昇給も期待できます。ただし、営業職ほどの昇給は期待できないです。

どんな仕事にもメリット・デメリットがありますし、昇給額にも差があります。そのため、「給与が評価に反映される仕事がしたい」だけでは、伝わりません

私が面接官なら、「あなたの求める『やりがい』とは何ですか?」と詳しく聞き込んで、やりがいが満たされる職場かどうかを判断します。面接でこの深掘りをしないとダメな時点で、あまり有利な方向には進みません。

というわけで、どんな仕事内容だったらもっと自分が満たされるのか、求める仕事内容をもっと具体的に言語化しましょう。

回答5:総合職への社内転職で昇給を目指す

回答者:小池(元・職業訓練校職員)
転職回数:2回


一般職で昇給がないためにモチベーションが上がらないと感じている反面、現在の恵まれている環境を捨ててまで転職したいという強い意志も持てなくて、お悩みのようですね。

私も周りの方々に言われた意見に同意で、昇給というやりがいのためだけに安易に転職してしまうのはもったいないと感じます。というのも、やりがいは経験やライフステージにも影響を受けて、変化しやすいものだからです。

そこで、私は別の会社への転職ではなくて、資格取得やスキルアップを経て「社内転職」をして、昇給を実現することをおすすめします。

私が以前働いていた会社では、会社の方針としてジョブローテーションがありました。私はプラグラム開発から事務職へのジョブチェンジでしたが、逆に事務職からプログラマー(総合職)になった同期もいました。

同期は、事務時代に俯瞰的にプログラマーの仕事をよく見ていました。会社全体から見たそれぞれの部署の流れや特徴、良い点や悪い点などを現場のプログラマーよりもよく理解していました。

そこからプログラムの仕事に興味を持って、独学でプログラムの勉強や資格取得をしたり、取引先について調べて、他部署の社員ともよくコミュニケーションを取っていました。

根気よく上司やプログラマーの社員に異動の相談を続けたところ、数年越しに一般事務から異動できたとのことでした。

このように、地道に努力を重ねて辛抱強く会社に異動の相談をすることで、現在の会社で社内転職できる可能性があります。労働環境が安定している企業なら、資格取得などのスキルアップをして、社内転職による昇給を目指してみることをおすすめします。


以上「昇給がなくて仕事へのモチベーションが低下。やりがいを求めて転職するべき?」の回答でした。
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