高卒で事務職から設計補助への転職体験談「CADのスキルはどんどん上がって、年収も560万円アップしました」

シゴトアンサー編集長のささめです。今回は「事務職の延長で設計補助までやらせられている」という理由で、設計補助だけできる職場へ転職して、年収の大幅アップに成功した前田さん♀のインタビューをお届けします。

転職成功者インタビューVo.2:前田さん(1971年生まれ♀)

住まい:兵庫県
最終学歴ランク:高卒
インタビュー当時の家族構成:本人(47歳)、夫(50歳)、子供(6歳)
転職前:手取り月収14万円、年収200万円
転職後:手取り月収45万円、年収760万円
転職前:一般事務
転職後:設計補助

「設計補助の仕事をしているのに、事務職として扱われた」

――現在はどんな仕事をしていますか?
兵庫県にある機械設計専門の設計事務所で、手書き製図やCAD製図のお仕事をしています。設計補助です。

――前職はどんな仕事をしていたのですか?
前職も機械設計の会社でした。部署も部門もない小さな会社です。応募時の職種は事務職でした。電話応対、来客へのお茶出し、簡単な伝票入力……その程度のスキルしかなかったので、事務職を選びました。でも、入社してみるとほとんどの業務が製図ばかりだったんです。

――事務職を志望していたのに、製図の仕事なんてできるものなのですか?
はい。最初は募集内容と違った仕事をさせられたこともあって戸惑いましたが、何とか覚えることができました。最終的には、機械製図の楽しさを知ることができてよかったです。誰でもできるような事務職よりも、仕事に対する責任感も身に付きました。

――結果オーライですね。
いえ、納得いきませんでした。手書き製図を覚えて、新しくCADも覚え始めて、ある程度の技術は身に付いてきましたが、待遇はあくまでも事務職だったのです。

お給料も事務職と同じ手取り14万円ほどでした。いくら長く勤めても、いくらスキルを身に付けても、お給料が一向に上がりませんでした。製図は、手書きもCADもとても時間がかかります。1枚仕上げるのに数日かかることも普通にあります。

「君は事務員や。設計補助は君の仕事やない」

――なるほど。給料が労力に合わなかったのですね。
はい。その間は常に緊張感を感じながら仕事になるので、1日でも早く仕上げたくなるんです。なので、上司に「残業をさせてもらえませんか?」と申し出るのですが、「事務員やからはよ帰って」と言われるだけでした。

そうなると、描きかけの製図のことが気になって気になって、家に帰ってから胃が痛くなることもありました。

残業はさせてもらえないのに、納期だけは「早く!」と迫られるんです。あくまで私の本職は事務員なので、社員のお茶出しも接客もしないとダメなんです。事務仕事で時間が削られて、製図作業はなかなか思うように進みませんでした。

――つまり、1人2役の業務内容を時間内にこなせと?
そうなんです。このストレスは並大抵ではなかったです。なんだか腹立たしくなってきて、上司に訴えました。「私の仕事は事務員か設計補助か、どちらかはっきりしてください」と。すると上司はさらっと言いました。

「君は事務員や。設計補助は君の仕事やない。嫌やったら断ってもいいんやで?」

次から次に製図をするように指示してきて断れるはずもないのに、「なんという言い草だろう」と思いました。「それなら、設計の人に製図の仕事を回さないように伝えてください!」私は怒りのあまり声を荒げましたが、上司は困ったような顔をして「それは設計の人に言うてや」と言うだけでした。

しょせんは便利屋扱いさせられていたんです。腹が立って、悲しくて、この一言で転職を決意しました。

「30歳を過ぎた女に甘えている余裕はなかったです」

――便利屋は重宝されますが、見返りがないとつらいですよね。今回の転職に関して、ご家族は何と言っていましたか?
私は「誰かに利用される」という人の悪意をそれまで経験したことがなかったので、上司の心無い言葉で傷ついていました。

そんなときに父も母も、「どうせ女は結婚するんやから、このまま家事手伝いしてたらいい」と言ってくれました。もう何もする気力がなかったので、両親の気持ちが本当に身に染みて安心できました。

――ご両親の言うように、家事手伝いをする選択はなかったのですか?
はい。両親には「もう働かなくていい」と言われましたが、いつまでも家に引きこもっているわけにはいきません。30歳を過ぎた女に甘えている余裕はなかったです。

なので、今度は最初から設計補助を募集している会社を選ぼうと思いました。0.1ミリ単位の誤差も許されない線引き業務だったんですけど、仕上げた時の達成感がどうしても忘れられなくて、設計補助の仕事だけ続けたかったからです。

「簡単には正社員の仕事はみつからなかったです」

――転職先はどうやって探しましたか?
最初はハローワークで探そうと思いました。でも、設計補助のような専門的な職種はハローワークでの募集は少ないのです。そこで、派遣先が決まるまでCAD研修も受けられる派遣会社に登録しました。

前職の待遇には腹を立てていましたが、技術面ではかなり高度なスキルを身に付けていたので、派遣担当者も「すぐに派遣先が見つかりますよ」と言ってくれました。そして、本当にそのとおり、すぐに設計補助をやらせてくれる会社への派遣が決まりました。

――それが今の会社ですか?
いえ、派遣先には3ヶ月ごとに派遣元の担当者が来て、「派遣の継続を希望しますか?辞めますか?」と意思確認をしてくれます。3回ほど継続しましたが、結局辞めてしまいした。派遣はやはり不安定で、いつ打ち切られるかわからないと感じたからです。

そこで、正社員を目指しました。求人雑誌を見ても、製図やCADの仕事は派遣が多かったので、インターネットで調べてみました。でも、検索をかけて簡単には正社員の仕事は見つからなかったです。

それでも、色々と調べているうちに、「転職エージェント」というものがあることに気が付きました。転職を専門のコンサルタントがサポートしてくれると知って、私は思い切って登録しました。

メイテックネクスト担当者「まったく問題ありませんよ」

――何という転職エージェントに登録したのですか?
私が登録したのは、モノづくり系エンジニアの転職に強い「メイテックネクスト」でした。登録はしたものの、30歳も過ぎた年齢のことがあって「遠回しに断られはしないかな?」と不安だったんです。ですが、男性の担当者から電話をもらうと、そんな心配はなくなりました。

年齢を告げると「まったく問題ありませんよ」と明るい対応で、ほっとしました。電話で前職で働いていた期間、派遣で働いていた期間、手描き製図、CAD製図のスキルを聞かれました。

私は「前職で機械製図のほとんどが描けるようになりました。派遣で電気系統も描いていました」と伝えると、「一度実際に描いたものを見せていただきたいです」と言うので、「メイテックネクスト」の関西支社に伺いました。

――面談はどんな感じでしたか?
面談ルームで一通りのことをさせられて、スキルを見てもらいました。担当者は、私の描いたものを預かって、「これで複数の会社に話を持っていきます。期待して待っていてください!」と自信満々の笑顔で言ってくれました。

それから2週間ほど待って、担当者から電話がありました。「複数の会社に電話をしたら、『ぜひウチに』と多くのオファーが寄せられました。面接に行きましょう」と言われて、とてもうれしかったです。

内定が決まった会社の中には大手の企業もありましたが、まだ自分のスキルに不安があったので、今の小さな設計会社を選びました。私が希望していた設計補助の仕事だけに没頭できる会社でしたね。

――転職を打ち明けたとき、社内の反応はどうでしたか?
転職を打ち明けた時には、誰もいい顔をしなかったです。もともと設計士が2人と上司が1人、事務員は私だけの小さな会社だったので、嫌みもかなり言われました。

私は声が小さかったので「次の会社ではもっと大きな声で話しや」「ふにゃふにゃ喋っとったらあかんで」と散々言われましたが、「好きなだけ言ってろ」と思いました。それでも、引継ぎが終わるまでのあいだはずっと胃痛がひどくて、精神的なダメージはきつかったです。

「仕事と家庭を両立できて、本当に転職してよかった」

――後味悪いですね……。今の会社はどんな感じですか?
事務職の仕事と並行してやらなくてもよくなった分、設計補助の作業効率が上がりました。電話が鳴ると、たまに出てしまいそうになる時がありますが(笑)

設計補助に専念できるようになったおかげで、CADのスキルはどんどん上がっていきました。今では3DCADも扱えるようになりました。覚えたいスキルを快く教えてくれる会社なので気持ちがいいです。

――気分よく仕事ができる職場はいいですね。前職で不満だった収入面はどうなりましたか?
年収も転職前の200万円→760万円まで上がりました。事務職のままだったら、こんなにもらうことはできなかったので、やりがいを感じます。

あと、仕事の進行具合を見て有給はまとめて取れるので、私事になりますが、婚活にも力を入れることができました。今は結婚して子供もいます。育休も取らせてもらえたので、仕事と家庭を両立できて、本当に転職してよかったと思いました。

――完全に転職成功ですね。最後に、同じように会社にこき使われている状況を変えたくて、転職しようか迷っている人にメッセージをお願いします。
本来の業務から逸脱した仕事をさせられている人は多いと思います。その時は、自分は何がしたいのかを考えてみてください。やりたい仕事に向き合ってみてください。会社がその要望を認めてくれないなら、迷わず転職してほしいと思います。

――貴重な体験談をありがとうございました!
(了)

編集後記:CADは事務ではなくてエンジニア業務

今回のインタビューでわかったことは、「CADを使った仕事は、モノづくり系エンジニアの転職エージェントを使って転職できる」ということです。

私が積水ハウスで働いていたときも、今回の前田さんの前職のようにCADによる図面制作は事務職の人が担当していました。なので、「CAD=事務職の仕事の範囲」みたいなイメージがあったのですが、モノづくりエンジニア向けの転職エージェント「メイテックネクスト」で転職していたのは盲点でした。

モノづくりエンジニアの人からしたら「何を当たり前のこと言ってるんだ」と怒られてしまうかもしれませんが、モノづくりに疎い私には意外な発見でした。

それにしても、高卒で何もスキルがないから事務職で入社したのに、製図のスキルを身につけて転職すると、年収200万円→760万円まで上がるのは驚きです。

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