今回は「人手不足と夜勤で体が限界になった」という理由で、日勤の製造&管理スタッフへ転職して、人手が確保された職場で健康的に働くことに成功した鹿取さん♂のインタビューをお届けします。
住まい:東京都
最終学歴ランク:専門卒
インタビュー当時の家族構成:独身(27歳)
転職前:手取り月収23万円、年収350万円
転職後:手取り月収20万円、年収350万円
転職前:空調機の清掃
転職後:製造&管理スタッフ
「やりがいがあって、楽しい仕事だった」
――現在はどんな仕事をしていますか?
山梨県内にある食品製造メーカーで、生産部のスタッフとして製品の製造や従業員の管理を担当しています。
――前職はどんな仕事をしていたのですか?
前職は不動産会社で働いていました。とある大手のグループ会社だったのですが、その店舗に設置されている空調機の管理をするという、特殊な業務に就いていました。店舗から依頼が来たら現場に赴いて、お客さんの少ない深夜に清掃をしていました。
――不動産会社なのに深夜の空調機の清掃業務とは、たしかに特殊ですね。なぜ、その会社、その仕事を選んだのですか?
前職の前の仕事で給与面に不安があって、専門学生時代の先輩に相談したところ、会社を紹介してもらって入社しました。
――なるほど。実際に働いてみて、前職の仕事のやりがいはどうでしたか?
やりがいはありました。週5日の仕事がすべて夜勤だったこともあって、それまでと真逆の生活になって、はじめは慣れませんでしたけど。眠気がすさまじくて、帰りの車内は常に寝ている状態が続きました。でも、慣れてくるととても楽しい業務でしたし、メンバーにも恵まれました。
「本当に大丈夫なの?最近、顔にまったく覇気がないよ」
――やりがいがあって楽しい仕事だったのに、転職をしようと思った理由はなんですか?
人手不足と毎日の夜勤業務で体への限界を感じたからです。売り上げを重視する上司は、担当する店舗を拡大することに決定したのですが、「今いる人員では間に合わない」という部下の意見には、まるで聞く耳を持ってくれませんでした。
毎週土曜の朝に家に帰ると、母親に言われる
「本当に大丈夫なの?最近、顔にまったく覇気がないよ」
という定番のフレーズに対して、私は「大丈夫だから」と言いつつ、布団に突っ伏すと夕飯まで寝続けるような日もありました。
――疲労で体は堪えていたんですね……。
そうですね。「せめてもう少し人がいてくくれば楽になるんだけどな」と思っていましたが、そんなときに最も気の合う後輩が退職することを聞いて、とてもショックでした。理由を聞くと、やはり私と同じく「体が限界」とのことで、みんな同じように限界を感じていたようです。
そして、担当店舗が拡大したわけですが、案の定、現状の人員で回すのは無理がありました。別の店舗が終わり次第、助けにきてもらって何とか時間内に業務を終える始末で、先輩が「さすがにこれではまずい」と思ったのか、会議で上司に「やはり人が足りません。なんとか人を採用してくれませんか?」とお願いしたところ、
「いや、でも時間内でできてるんでしょ?まだ必要ない」
と軽くあしらわれてしまいました。そんな上司の態度を見て、「人員を補充する気はない」とわかって、もう無理だと感じたので、転職することに決めたんです。
――訴えても状況が改善されないので、見切りをつけたのですね。転職に関して、家族は何と言っていましたか?
まずは母に転職することを話したんですが、休日を寝て過ごすような私を見ていた母は安堵して、「うん、わかった」とすぐに承諾してくれました。その顔を見たときに、「本当に心配してくれてたんだな」と思って、申し訳なさでいっぱいになりました。
母には、「ありがとう」と一言いって、次は父に報告しました。父は「お前の人生なんだから好きにしろ」というタイプの人で、あまり関心はなく、反対もされませんでした。
――お母さんを安心させてあげられて良かったですね。今回の転職で重視した条件は何ですか?
前職の経験で、「やはり仕事は体が資本」と痛感したので、給与面より月の残業時間や年間休日のほうを重視しました。
「スポナビキャリアは、スポーツ経験を強みにできる」
――今度は、しっかり休めることを重視したのですね。転職先はどうやって探しましたか?
「スポナビキャリア」という転職エージェントに登録しました。「スポーツ経験は強みになる」というワードに惹かれたのが、スポナビキャリアを選んだ理由です。
「体が限界だった=肉体労働が苦手」というわけではなくて、むしろ私は昔から体力には自信がありました。専門学校もスポーツ系でしたので。それでも、毎日夜勤という過酷な労働環境には体がついていけなくなっただけでした。
そんなときにスポナビキャリアを見つけて、「なにをしようかまだ決まっていないけど、自分が今までやってきたスポーツ経験を活かしてくれるなら……」と思って登録しました。
でも、初めての自力での転職だったので、「何からやればいいのかわからない」というのが本音でした。
「話をしながら経験をまとめることで、自分の性格が判明」
――わからない中、どのように転職活動は進んでいきましたか?
エージェントの担当者と面談をして、まず、「なぜ転職したいのか、次はどんな会社に転職したいのか」を話しました。それでわかったのが、「自分は転職するとは決めたものの、どんな会社に入りたいのか、まったく決めていなかった」ということでした。「こんな状態で本当に転職していいのか?」と迷いが生じた瞬間でした。
でも、そのことを担当者に伝えると、「わかりました。そうしたら今までの経験から自分が向いている仕事を探してみましょうか」と言ってくれて、迷いは解消されました。
そして、話をしながら紙に自分の経験をまとめいくと、どうやら私は1つのことを徹底的にやる職人気質のような性格だと判明しました。そこで、いくつかの企業を紹介してもらって、その中で今の会社の面接を受けることにしました。その後は、受ける会社の特徴を教えてもらったり、面接の練習をしてもらいました。
初めての自力での転職活動でしたが、無事に内定をもらえて、担当者もとても喜んでくれてうれしかったです。
――自分の経験や性格を客観視することができて、それが仕事探しにつながったと。今の会社に入社を決めた理由はなんですか?
月の残業時間は減って、年間休日も増えて、なおかつ給料も前職とほとんど変わらず、仕事は遅くても夕方6時に終わる条件だったからです。夜勤業務は一切なくて、健康面の心配もないとわかったので、入社を決意しました。
――健康的に働けて、給料は変わらない労働条件だったのですね。前の職場に転職を打ち明けたとき、社内の反応はどうでしたか?
人手不足を解消してくれない上司と、お世話になった先輩との三者面談があったのですが、
上司「で?辞めるんだってね。これでまた人減っちゃうね」
私「申し訳ございません。今までありがとうございました」
上司「まぁ、辞める人を止める気はないからさぁ。お疲れさま」
と、意外にもあっさりしていました。「何か言われるかな」と覚悟していたので、少し拍子抜けしました。
「人員不足の心配もなく、体調も日に日に良くなっていった」
――少し嫌みも入っていますが(笑)、引き止められることはなかったのですね。今の会社に入社してみてどうでしたか?
これまでとはまったくの異業種の仕事だったので、慣れない業務も多くてすごく苦労しました。今度は、朝が早くて毎日起きるのがつらいですが、そのぶん終わりも早くて健康な毎日が続いています。
仕事も、覚えてくると「今度は、いかに時間内に手際よく終わらようか」と効率を考えるようになったりして、それが日々の生活にも反映されて、時間の使い方もうまくなりました。
月の残業時間は、70時間から20時間ほどに減って、年間休日も以前は土曜日出勤がざらでしたが、今は土日祝に増えました。給料自体は夜勤手当が減りましたが、残業手当がみなしから全額支給になったので、ほぼ変わらずに済みました。
転職を決意したきっかけでもある人員不足についても、今の職場は離職率も低くて十分な人員がいるので安心です。夜勤から日勤へと変わって体調も日に日に良くなっていったので、転職して本当に良かったです。
――労働環境も体調も改善して、仕事にも余裕がでてきたようですね。最後に、同じように人手不足で負担が大きくて転職しようか迷っている人に、メッセージをお願いします。
人員が足らないのには、それなりの理由があります。私の前職の場合は、応募は来るのに人を取ろうとしない上司が原因でした。売り上げを出すために人件費を削るのは間違いではないと思いますが、仕事量に対してあまりにも人員が足らなくて、私は体がついていかなくなりました。
「自分が辞めたらさらに人員が減ってしまう……」とためらう必要はありません。「大事なのは、会社の利益より自分の体」ということを忘れないでください。あなたの転職がうまくいくことを願っています。
――貴重な体験談をありがとうございました!
(了)
編集後記:「スポナビキャリア=体力勝負の仕事に就く」ではない
今回のインタビューでわかったことは、「スポナビキャリアはスポーツに携わるためだけの転職エージェントではない」ということです。あくまで、スポーツ経験者、体育会系出身者を求めている企業とのマッチングサービスです。
今回の鹿取さんのように、過酷な労働環境で体調を崩してしまった人でも、元々スポーツが得意でポテンシャルが高ければ、問題なく採用されます。体力がないと続けられない仕事を強いられるわけでもなくて、前職よりも残業時間も少ないホワイト企業に転職できた事例でした。
私は文化系人間なので縁がなかった転職エージェントですが、体育会系出身の人は「スポナビキャリア」を一度利用してみる価値はありそうです。
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